氷雪の華【蛇王カイラ】

5 荷物 ページ5

──人間界に出だして買い物をしていた時、上から郵便局員がやってきた。…どうやら、カイラ様への届け物らしい。

…横に広い荷物だが…中身は軽いな。
カイラ様の就任を祝う言葉が書かれているが、送り主の名前に覚えはない。
アサシロ──人間の苗字か？

「フクロウじゃないか。」

「ひゃいっ！？」

後ろから、誰かに声をかけられる。
──振り返らずとも…その声の主が誰かはわかる。……私の元主と元同僚…!!!

「しゅ、酒呑童子様…ど、洞潔まで…」

「お前、こんな所で何をしているんだ？」

驚く私に呆れるように、洞潔はそう言った。
洞潔…というか、島之内先生？だったか。

「買い物途中に、カイラ様宛の郵便を預かっただけで……」

──酒呑童子様…ハルヤ様は、その荷物をじっくりと見てから、興味がなさそうに「ふーん」と相槌を打った。

「お前の主、随分と恨まれてるようだな。…行くぞ、洞潔」

「御意。」

そう言って、去っていく2人。
恨まれている？カイラ様が？

そもそも、どうして荷物を見ただけで──まさか。
…まさか…この中身は……。

最悪の事態が目に浮かび、すぐさま妖魔界の警察署へと駆け込んだ。…中身を鑑識してもらうために。

──結果はクロ。
中身のお菓子には、毒が入っていた。

──殺人未遂？不敬罪？
…どちらにせよ、この朝代という人物──いや、荷物を届けてきた者には、詳しく事情を聞く必要がありそうだ。

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