8 会話 ページ8
「お前…半妖か？」
──その言葉によって、ザワつく周囲。
皆一様に私を見る。……まずい。
蛇王様がどんな気持ちで聞いたのかは分からないけれど、私にとっては死活問題だ。
仮にここで正直に答えたとしたら…それこそ、すぐさま死刑じゃないだろうか。…万に1つの可能性で、半妖の蛇王様の理解を得られる…かもしれないけれど。
だからといって、答えないのも危険だ。
現妖魔界の大王様の問いかけを無視なんて…できるはずもない。
──かくなる上は。
「……はい。」
再び騒がしくなる。
周りからは、嫉妬だの私怨だの反逆だの…罵る言葉ばかりが聞こえてくる。
蛇王様の決定を急かすように、さらに騒ぎ立てる家臣たち。しかし、当の蛇王様は腕を組んだまま動かない。
「…そうか。……すまないが、1度ここから退出してくれないか。…2人で、話がしたい。」
驚く声が木霊する。私はもう、声すら出ない。
2人で話？私と？大王様が、私のような下女と何を話すというのだ。
「カイラ様！？何をおっしゃいますか！危険ですからおやめ下さい！」
止めようと声を上げる家臣の中、一際大きな声を上げた、さっきの長身の男性。…危険、か。
「私が、話をしたいと言っているんだ。そもそも、彼女はあれだけ否定していただろう。
…それに、仮に彼女が私を殺そうとしたとして…そんな簡単にやられるほど、私が弱いと思うか？」
目だけで男性を見て、睨みを聞かせてそういう蛇王様。そう言われてしまっては、家臣は引下がる他ない。
「…御意…。」
「…あい、わかった。｣
「…がってんしょうち…」
恐らくは蛇王様の直属の部下であろう3人が出ていってしまっては、他の家臣達も出て行くしかない。
1人、2人と人の減ったこの部屋には、私と蛇王様しかいない。
高いところで私を見ていた蛇王様は、表情をピクリとも動かさず、私の前へと降り立った。
「…さて。…少々切り立った質問をすることになるが…構わないか？」
端正な顔立ちを、少し緩めて。彼は小さく微笑んだ。
さっきまでの緊張感は、もうどこにもない。
同じ半妖の彼にそう言われては…もう、黙っていることなんて出来なかった。
隠し通していたって、結局はここで殺されるか、旦那様達に殺されるかの2択なのだ。
それなら、冥土の土産に…彼と会話したっていいじゃないか。
──恋も何もしてこないで、18にまでなってしまったのだから。最期くらい、いい夢を見せてくれないか。
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海羅 - ユーリさんこんにちわ。おもしろかったです。また続き書いてください！ (尊死) (9月19日 9時) (
レス) id: 286d8438eb (このIDを非表示/違反報告)
海羅 - めっちゃ続ききになります！！ (9月19日 9時) (レス) @page10 id: 286d8438eb (このIDを非表示/違反報告)
asterisk👑ground - ユーリさん» ユーリさんはじめまして、asterisk👑groundと申します、宜しくお願いします(⌒‐⌒)先程ユーリさんの作品を読ませて頂いきましたが何れも面白みがあって素敵ですね。次回の内容も楽しみにしてます♪(/ω＼*) (6月18日 12時) (レス) @page3 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
読んだ感想 - 生きててごめんさい？ならはよ史ね (2022年8月5日 17時) (レス) id: 2c09132fd3 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヒメ - ウッ、ヤバイ、カイラがカッコよすぎて死ぬー！これめっちゃ続き気になるわ、更新頑張ってください！ (2021年5月2日 15時) (レス) id: 19f1affe62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユーリ | 作成日時：2020年3月26日 18時
