【実況者】怪盗レトルト参上!! 5品目【主に平和組】 (ページ42)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:136,251 hit

捜査ファイル42 ページ42

あれ、ちょっと待てよ……

「あの、私の手錠は一体どうなった……」
「えっ、あ……忘れてた……」

ずっと私と一緒に生活を強いられていた手錠君。
ヘリまで来ちゃったらさすがに怪盗レトルトも腕足りなくない……？と思って、手錠のあった手首をそろりと確認すると、

「ひっ……」

私の手首にはブラーンと伸びた手錠、その先には怪盗レトルトの手首までしかなかった。
思わず出てしまった悲鳴。
ﾜﾀｼﾜﾙｸﾅｲ。

直視なんてできなくて、でも距離をとることもできなくて後ろから抱き着いてきてるキヨさんになぜか渡してしまった。

「は⁉え、ちょ、むり!!!!!無理だからやめろ!!!!!」
「ちょっとちょっとー、落ち着きなよー。」

「落ち着けって言っても、あの、手首が……!!人の手首……!!!!!」

アブさんに落ち着けって言われても自分と手錠で人の手首が繋がれてるとか考えたくないむり。
ひぃひぃ言いながら手錠をブンブンしてたら、さっきまで一緒に悲鳴をあげていたキヨさんもなんだか静かになる。
おまけになんだかバカにするような声も聞こえるし、なに？

「おい、A。よく見てみろよ……。今のお前すっごいまぬけだぞ？」

は？まぬけなキヨさんにまぬけって言われるってなかなかまぬけじゃない？
腹が立ってちゃんと手首を確認してみる。

え、どう考えてもほんも……の……？

よく見てみるとちぎれている手首からは血も出てないし、粘土のような質感をしている。

「これって……」
「もしかしなくても粘土……だね、」

続きを言ってくれたのはセピアさん。

もしかして、怪盗レトルトはいつ手錠つけられてもいいようにこんな対策してたの…？
鍵とか関係ないじゃん……

「怪盗レトルト……!!!絶対許さないから……!!!」

私の闘志の炎が密かにメラメラと燃えたのだった。