真夜中の珍客 ページ46
『……あ、はあ』
思わずみとれていて声がかすれる。
誰だろう？こんなきれいな人見たことないぞ。
私のいぶかる視線に気づいたのか、その人は銀糸のような睫毛をしばたたかせ、紳士のように腰をおって礼をした。
「わたしはクイーン。夢水くんに用があって来ました」
『……教授にですか』
変なところから侵入してきたものの、その丁寧な物腰や態度から悪い人ではないと推察する。
『今、起こしてきます』
「その必要はないよ、Aちゃん」
『教授、起きてたの？』
いきなり背後から声がした。
振り向くと、カシカシと頭をかきながら教授が立っていた。
いつもののんびりしたオーラを捨てたような空気をまとっており、私はゾワッとする。
なんだろう……この二人は。
白と黒という対立の存在であるにもかかわらず、同種族の人間であるように見える。
同じ赤い夢を見ている者同士なのだろうか。
赤い夢、って一体……。
「今夜は、あなたが来そうな月の晩でしたから」
教授がほほえむ。ふと、月を見ると、満月だった月は異常なくらい真っ赤に染まっている。
……なんで。
それより、と私は教授に向きなおる。
『教授、教授はクイーンさんが来ることが分かってたんだよね。じゃあ、今まで事件の依頼人が来るたびに私が教授を起こしてたのって、意味あるの？』
「そんなことより、Aちゃん、クイーンさんにお茶をいれてきてくれたまえ」
器用にながされる。
納得いかない思いにギリギリギリと歯ぎしりをしながら、お茶をいれに台所に向かった。
……あとで絶対問い詰めてやる。
『粗茶ですが』
湯呑みをコトッと置き、お盆を持って教授が座っているほうのソファーに腰掛ける。反対側に座ったクイーンさんは、優雅に足をくむ。
ズズッとお茶を飲むクイーンさん。
教授は下品にグビグビ飲む。
「そういえば、夢水くんにこんな可愛い居候がいるなんて知らなかったよ」
「……ああ、まあ、そうですね」
夢から醒めたような表情の教授。いや、夢の中に入った、の方が近いかもしれない。
どうしたんだろう。
「そういえば、夢水くんに借りていた本を、返しにきたんだよ」
どうやら事件の依頼人ではないようだ。
クイーンさんが、私が無いと思っていた「新羅」と「人羅」をテーブルの上に置く。
「“記紀”と“羅羅”、とても参考になったよ」
ウインクするクイーンさん。
教授が「ききとらら？なにそれ、サンリオ？」という顔をしていたのは放っておこう。
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鳥羽(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！なかなかの長編になりそうです(汗)更新頑張ります！ (2017年4月29日 11時) (
レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - クイーンが登場！！(≧∀≦)でもまさかの展開ですね！？��(ﾟДﾟ)続きが気になります…！ (2017年4月27日 23時) (レス) id: fc45d488d7 (このIDを非表示/違反報告)
鳥羽(プロフ) - レイさん» 喜んでいただけて何よりです(*^_^*) (2017年3月15日 7時) (レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - わぁあ！！神宮寺さん！！(≧∀≦)素敵です！！ (2017年3月14日 11時) (レス) id: fc45d488d7 (このIDを非表示/違反報告)
鳥羽(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！頑張って更新しますね( ´ ▽ ` )ﾉ (2017年3月12日 17時) (レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥羽 | 作成日時：2017年2月11日 21時
