常識はソファーで寝ること ページ39
朝起きると、背中がやわらかかった。
気がつくと、ベッドの上で眠っていたのだ。
あれ？私たしか昨日、ソファーで寝たような……。
不思議に思いながらも、階下に降りる。
「おはよう。……よく眠れたか」
台所に立っていた柳川さんがあいさつをする。
『はい、おはようございます』
「聞いてよ、Aちゃん！朝ごはんはわたしがつくるって言ったのに、みんな冷たいのよ！」
鷲尾さんが眉をつりあげてぷりぷりしている。きっと総出でとめられたのだろう。
「朝っぱらから、姫のご飯を食べさせられたら、命がいくつあってもたりないよ」
ボソッとつぶやいたジュリアスくんは、直後鷲尾さんにローリング・エルボーをくらい部屋の壁にたたきつけられた。
だんだん慣れてきた私は見ないふりをする。
鷲尾さんはそのあとすねたように酢イカをしゃぶっていた。
私は、朝から酸っぱい駄菓子をほおばれる鷲尾さんの神経を心から尊敬する。もちろん、ああはなりたくない。
『ところで、神宮寺さんの姿がさっきから見あたりませんが、どうしたんですか？』
「“あれ”は寝起きが悪いからな、起きてくるときは起きてくるだろう」
柳川さんが言う。ふむ、教授と似たようなものか。
『ごちそうさまでした！』
パンッと手をあわせて、言う。
鷲尾さんはあれほど自分がつくりたいと文句を言っていたわりにはよく食べていた。そして、朝から高そうなワインも開けて飲んでいた。ヤケ酒というやつだろうか。私はもう、ツッコまないことにする。
「ところで、A」
『なんですか？』
「どうして、きのうはソファーの上で寝ていたんだ？腰痛になるぞ」
途中で現れてきた神宮寺さんが聞いてきた。
ん？なんで私がソファーで寝たことを知ってるんだ？
『いや、その……習慣というか、なんというか……ないんです、ベッドが』
「「「「え」」」」
四人の顔がかたまった。
「家に、ベッドが、ないのか？」
神宮寺さんが確認するように区切り区切りに聞き返してきた。
『ええ……まあ……』
「でも、本はたくさんあるって言ってましたよね。お金は、あるんでしょう？」
『うちの人、お金の使いかたがちょっと変なんです』
「ちょっとどころではないですよ、それ！」
ジュリアスくんがすごい顔で吠える。なぜか朝少し私に申し訳なさそうな顔をしていたのは、気のせいだったのだろうか。
「……買ってやろうか？」
柳川さんにものすごいあわれみの目で見られたので丁寧に辞退する。置く場所ないし。
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鳥羽(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！なかなかの長編になりそうです(汗)更新頑張ります！ (2017年4月29日 11時) (
レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - クイーンが登場！！(≧∀≦)でもまさかの展開ですね！？��(ﾟДﾟ)続きが気になります…！ (2017年4月27日 23時) (レス) id: fc45d488d7 (このIDを非表示/違反報告)
鳥羽(プロフ) - レイさん» 喜んでいただけて何よりです(*^_^*) (2017年3月15日 7時) (レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - わぁあ！！神宮寺さん！！(≧∀≦)素敵です！！ (2017年3月14日 11時) (レス) id: fc45d488d7 (このIDを非表示/違反報告)
鳥羽(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！頑張って更新しますね( ´ ▽ ` )ﾉ (2017年3月12日 17時) (レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥羽 | 作成日時：2017年2月11日 21時
