ジュリアスside お説教は意外な形で幕を閉じた ページ37
「……言いたいことは、分かってるよな？」
応接室。
足を組んで、ソファーに腰かけている神宮寺さん。
その向かい側には、ぼく。
わざわざ床の上で正座しているのは、土下座するためではない。
ぼくはうつむいて、問いにこたえない。
今どんな心境かって？──それは、なんとなく察してほしい。
ここで泣いて逃げるのは簡単だけど、それをするようなやつはジュリアス・ワーナーではない。
「……Aは」
「今、ウイロウがベッドに運んでる。ソファーじゃ風邪ひくだろうからな」
ぼくの頭の中で、真っ赤になりながらお姫様抱っこでAを運んでいるウイロウが頭にうかぶ。確かに彼なら安心安全だ。
「……こたえろ。なにをしようとした？」
肩を掴まれたと思ったら、気配もなくウイロウが背後に立っていた。
「……えっと、ぼく、夢遊病だったみたい」
冷や汗がほおをしたたり落ちる。
「つまんないウソをついていないで、さっさと言え」
掴まれていた手に力がはいり、ミシッと骨がきしむイヤな音がする。
「痛い痛い痛い！」
すでにぼくの顔は頭からバケツをかぶったように汗でビシャビシャだ。
「まあまあ、ジュリアスの気持ちは分かる」
「……え？」
顔をあげると、照れたように神宮寺さんがはにかんだ。
「実はおれたちも、おまえと同じ気持ちをもっているんだ」
つまり、それって……。
「まあ、そういうことだ」
目を丸くするぼくにほがらかに笑う神宮寺さん。
ウイロウは失笑している。思わぬ風向きの変わりように、ぼくは二の句がつげない。
「でも、どうして、Aなの？」
「それ、おまえが言うか？」
冷たい目でウイロウがぼくを見る。
肩をすくめて、ぼくは返事にかえる。
「まあ、これ以上考えていてもしかたないしな。ジュリアス、子どもは寝る時間だ。反省は終わり！そろそろ寝てきな」
「でも……これから、どうするの？」
「なにがだ？」
「同じ人を好きになっちゃったんでしょ。これからどうするの？」
「どうもしないさ」
あくびをする神宮寺さん。ソファーから立ちあがる。
「でも……」
「ジュリアス、それでいいんだ」
ウイロウが今度は優しく肩に手をおくので、しぶしぶ納得して、ぼくは部屋に帰る。命拾いしただけありがたいと思おう。
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「ところで、リーダー」
「なんだ？」
ドアのところで柳川が振りむいて神宮寺を見る。
「おまえ……ほんとうは、知ってるだろ」
神宮寺side 魅力→←ジュリアスside ソファーの上の眠り姫
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鳥羽(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！なかなかの長編になりそうです(汗)更新頑張ります！ (2017年4月29日 11時) (
レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - クイーンが登場！！(≧∀≦)でもまさかの展開ですね！？��(ﾟДﾟ)続きが気になります…！ (2017年4月27日 23時) (レス) id: fc45d488d7 (このIDを非表示/違反報告)
鳥羽(プロフ) - レイさん» 喜んでいただけて何よりです(*^_^*) (2017年3月15日 7時) (レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - わぁあ！！神宮寺さん！！(≧∀≦)素敵です！！ (2017年3月14日 11時) (レス) id: fc45d488d7 (このIDを非表示/違反報告)
鳥羽(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！頑張って更新しますね( ´ ▽ ` )ﾉ (2017年3月12日 17時) (レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥羽 | 作成日時：2017年2月11日 21時
