どこかメランコリーな午後 ページ12
「よぉ、創也！ 下痢は治ったのか？」
達夫くんたちが創也くんの肩をたたく。
「すごい下痢だったそうだな。ずいぶんやせてるぜ！」
「ぼくが下痢で休んでるって、だれがいったんだい？」
不思議そうな顔をして、創也くんはきく。
内人くんをゆびさす達夫くんたち。速攻ダッシュで逃げる内人くん。
……見なかったフリをしよう。
授業中の創也くんは、おかしかった。
いつも通り窓の外をぼーっと眺めてるんだけど、今日はどこか儚げだ。
本当に体調が悪いのかもしれない。心配になった私は、放課後砦に寄ることに決めた。
……決めたんだけど。
「ちょっといい？」
机の前でニコニコ笑ってる女の子。たしか美術部の平山さんだ。
『うん。えーっと……なんの用？あ、創也くんのこと？私、なにも知らないよ』
「違う違う！創也くんのことももちろん知りたいし、Aちゃんは創也くんと仲がいいらしいからぜひとも情報をリークしてほしいところだけど、今回は違くて」
手をぶんぶんふる平山さん。
ずいっと、その顔が近づく。
「美術部、興味ない？」
……え？
部活動勧誘ですか？
予想外の質問に思わず拍子抜け。
「だってあなた、なんのクラブにも入ってないじゃない。絵も結構うまいし。他の部の子たちも、あなたをねらってるのよ」
するとタイミングを合わせたかのように、他の部の人たちがわらわらと集まってくる。わぁ、モテモテだ。
耳をすませば、運動場のところから、
「バッチ、こーい！」
「サイド、あがれー！」
「引退した春日温さんのような守備をー！」
「それは、やめとけー！」
という叫び声が聞こえてきた。うーん、青春。
私は、平山さんのほうを見る。
『書道部、あるの？』
首をふる平山さん。
『じゃ、悪いけど、ごめんね。また明日』
私は笑顔で鞄を持つと、砦に向かって歩きだした。書道部以外の部活に入部する気はないのだ。
砦の前で、内人くんに会った。肩をつらそうに回している。
「おお、Aじゃないか。きみも、創也の様子を見にきたの？」
『うん。“きみも”ってことは、内人くんも？』
うなずく内人くん。どうやら、会ってきた帰りらしい。
「A、創也を元気づけてやってくれないか。多分、もう一押しだと思うんだ」
『いいけど……創也くん、やっぱり元気ないの？』
私の質問にうなずく。どうやら、内人くんはできるだけのことはやったらしい。
───私になにができるというんだろう。
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鳥羽(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！なかなかの長編になりそうです(汗)更新頑張ります！ (2017年4月29日 11時) (
レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - クイーンが登場！！(≧∀≦)でもまさかの展開ですね！？��(ﾟДﾟ)続きが気になります…！ (2017年4月27日 23時) (レス) id: fc45d488d7 (このIDを非表示/違反報告)
鳥羽(プロフ) - レイさん» 喜んでいただけて何よりです(*^_^*) (2017年3月15日 7時) (レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - わぁあ！！神宮寺さん！！(≧∀≦)素敵です！！ (2017年3月14日 11時) (レス) id: fc45d488d7 (このIDを非表示/違反報告)
鳥羽(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！頑張って更新しますね( ´ ▽ ` )ﾉ (2017年3月12日 17時) (レス) id: 4acd08ad41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥羽 | 作成日時：2017年2月11日 21時
