３５▽ ページ36
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涼しい風が窓をくぐってやってくる。
俺はベッドでゴロンゴロンと転がってる。
休みの日だけど何もしたくなかった。
いや、休みの日だから何もしたくなかったのか。
お腹も空かない、眠気もない、何もしたくない。
そんな日がずっと続いてる。
「はぁ、」
どんだけ溜息をついてもスッキリすることはない。
ずっとモヤモヤしたものが胸につっかえてる感じがする。
部屋を見渡すと服とか鞄とかが散乱してる。
そういえば最近ぽいっと放ったまんま仕事に行ってた。
見て見ぬ振りでもしようかと思ったけどさすがにできない。
仕方ないので重い足を動かし部屋の片付けを始めた。
ゴウンゴウンと洗濯機の音。
二回回さなきゃいけないとかどんだけ溜めてたんだ。
次は部屋に散乱してる鞄だ。
一個ずつ中身を出して整理していく。
その中の１つに、紙切れが入ってた。
何かのゴミかと思ったけど丁寧に折りたたまれていたから多分違う。
確かこの鞄、この間彼女の家に行ったとき持っていた鞄だったはず。
変に期待してしまう気持ちを抑えガサツに開いた。
そこには丁寧な字で「今までありがとう」と、たったそれだけ書かれていた。
嫌われてたわけじゃなかった。
照史が言ってたことは間違いじゃなかった。
だけど、なんで俺を遠ざけたりなんかしたんだ。
嫌われてたんじゃなかったとしたら、今でも普通に好きでいてくれてるとするならば。
彼女はわざと俺を遠ざけた。
俺を巻き込まないように、別れるときが辛くないように、今のうちに距離を置いとこうって。
俺が悲しい思いをしないように、最低な別れ方をしようって。
そういう意図だったと、仮定するなら。
「俺...、」
やっぱり嫌だ。
このまま彼女が望んでないストーリーを進めていくことがすごく嫌だった。
俺も彼女も望んでいないストーリーで結末を迎えたくない。
奪ってよ。
彼女の声がこだまする。
彼女の声が、聞こえる。
今更気づいたって遅いのかもしれない。
だけど彼女の気持ちに気づいて見て見ぬ振りなんてかっこ悪いことできない。
彼女の前ではかっこいい男でありたい。
そのためにも、彼女のためにも、俺は___
鞄を放り投げて携帯を乱暴に掴んだ。
こんな時に頼れる奴なんて、1人しかいない。
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虹色ジャス民ちゃん(プロフ) - すっごく面白くて毎回新しい話が出る度にワクワクしながら読んでました！！完結して嬉しいような悲しいような気がしますが、とにかくおめでとうございます！ (2017年7月15日 14時) (
レス) id: c98121e410 (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - こめちさん» ありがとうございます(;_;)キュンキュンしていただけて本当によかったです、ギャグ多すぎたかな…と密かに心配してました(笑)最後までお付き合い頂きありがとうございました！ (2017年7月10日 0時) (レス) id: 35aa90feef (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - natsuさん» 嬉しいお言葉をたくさんありがとうございます(;_;)照史くんとのシーンはなるべく楽しいものに、だけれど重要なシーンにと大事に書いてきたので触れていただけて嬉しい限りです。窓を開けてたらいつかひょっこり、なんて(笑)最後までお付き合いありがとうございました！ (2017年7月10日 0時) (レス) id: 35aa90feef (このIDを非表示/違反報告)
こめち(プロフ) - 完結おめでとうございます！すっごくキュンキュンした作品でした！ (2017年7月9日 22時) (レス) id: 278a7959ef (このIDを非表示/違反報告)
natsu(プロフ) - 初コメ失礼します。毎回楽しく読ませていただいておりました。１つ１つの言葉にハマちゃんの強さと可愛さと煌めきが込められていて、照史くんとのシーンでは情景が浮かぶようでした。私のもとにもハマーが来ないかな…なんて思ったり。完結おめでとうございます。 (2017年7月8日 23時) (レス) id: 49cb799bc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プシュケ
| 作成日時：2017年1月28日 20時
