学園怪盗∞ PART２ (ページ9)

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男「連れてきました」

侯隆が矢を持って男たちに連れられてきた。

いつか「侯隆!!」

麗華「約束どおり塔と矢を持ってきたようね。ほめてあげるわ」

侯隆「いつか⋯無事だったか」

侯隆があたしを見てほっとする。

いつか「侯隆⋯！」

侯隆「さあ！何もかも全部くれてやるわ！早くいつかを返せっ！」

いつか「侯隆っ、やめてっ!! 理事長なんかに渡さないで⋯っ！」

侯隆「いつか⋯！」

いつか「あの塔を一体なんのために盗んだか思い出してよ⋯。あれはコンツェルンを立て直すためのとっても大切なもののはずよ⋯？それを⋯あたしのために無駄にしないで⋯っ！」

あたしは泣きながら叫ぶ。

いつか「お願いだから⋯そんなことしないで⋯」

涙を流したまま侯隆を見つめる。

侯隆「━━たしかにおれは最初コンツェルンを救うためにこの矢を使おうとしてたで。⋯ホンマはいつかのことが好きやのに、そのためにいつかを犠牲にしようとしたんや。━━やけど、自分の心を偽るのはもうやめや!! おれがホンマにほしいのはおまえだけや!! ほかには何もいらへん⋯！」

侯隆！

麗華「心配しなくてもいつかはあなたにお返ししてよ」

理事長が侯隆の手から矢を奪い取る。

麗華「⋯ただし、あなたにはおしおきをうけていただくわ」

理事長の言葉に男たちが侯隆をロープで縛る。

麗華「さあ亮くん。お兄さんを少々可愛がっておやりなさい」

亮「はい⋯」

侯隆「亮⋯！」

亮くんが侯隆に近づく。

いつか「やめて⋯っ！亮くん。正気にもどって⋯⋯!!」

あたしは必死に叫ぶ。

麗華「さあ、早くやっておしまい！」

だめ⋯っ！

亮くんが手を上げ、あたしは思わず目をつぶる。