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ぢょっきん。
理事長が植木バサミでアーチェリーの糸を切り、そのまま矢が地面にぶすっと刺さった。
いつか「り⋯理事長。あんた、これは一体なんの真似よっ！」
麗華「面白いほどカンタンにひっかかってくれたわね。このあたしが改心すると思って？ おバカさん達♡」
いつか「い⋯一体植木バサミなんてどこから⋯」
麗華「これはね、この広い敷地内の木の形を整えるためあちこちにおいてあるのよ。ふふっ。まあ、もと女優志望のあたしの素晴らしい演技にだまされるのも無理はないわっ」
理事長が矢を持つ。
侯隆「な⋯何が女優やっ！ ふざけやがってっ」
麗華「あんたたちをこのまましあわせにしてやるあたしじゃないわよっ!!」
理事長が高笑いする。
ど⋯うしよう。
あたしが理事長を信用したばっかりに⋯。
このままじゃ矢がつかえない⋯⋯!!
すると、男たちが周りをとり囲む。
理事長の黒服軍団!!
侯隆「て⋯めえ。部下までよんでたんか⋯！」
麗華「あたしが意味もなくあんなお芝居すると思う？ この発信機でむかえが来るまでのほんの時間かせぎよ。━━あら、どうやらむかえが来たようだわ」
空からヘリが来て縄ばしごを落とす。
麗華「それじゃごきげんよう」
侯隆「まっ⋯待てやっ！」
いつか「侯隆!!」
理事長が縄ばしこに捕まり去りかけるのを、侯隆が追いかけようとする。
すると
男「動くな!!」
男たちが銃を侯隆に突きつける。
侯隆「━━動くな⋯って言われたって、はいそうですかってきいてられへんわ!!」
侯隆が男たちを殴り倒すとジャンプして縄ばしこに捕まる。
いつか「侯隆⋯っ!!」
麗華「おっ⋯おはなしっ！ 早くおりるのよっ！」
侯隆「そっちが矢を返せば今すぐにでもおりたるわ！」
そこに下から男たちが侯隆に銃を撃つ。
侯隆「⋯っ！」
侯隆に肩に弾がかする。
いつか「や⋯っ、やめてっ！ 侯隆に手を出さないでよっ！」
あたしは男にしがみつく。
男「わっ！ この⋯っ、邪魔だっ！」
男に突き飛ばされしりもちをつく。
どうしよう⋯⋯!!
アーチェリーがつかえなきゃあたしにはなんにもできない⋯！
好きな男のコを守ることすらできない⋯!!
ポロポロと涙を流していると⋯
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作者名：ワカ | 作成日時：2018年10月28日 14時
