ひまわり 2 〜 yearn for you 〜

1 Osmanthus ページ44

北斗side

ジェシーが海外に行っている間。

俺はこーちを食事に誘った。

ここ最近、歌の中でも昔からの2人の繋がりを表すような歌詞の部分をシンメで歌わせてもらう事が多くて、正直嬉しくもありしんどくもあった。

こーちが隣にいて共に踊ったり歌ったりするけど、
俺たちは基本ベタベタしない関係性だからサラっと終わる。

ちらりと隣を見ても彼は俺を見もしない。

今さらその感じを壊す気も無いけど・・・。


　 「一生一緒」


こーちに伝えたその言葉は俺の心の中の呪文。

そう言葉に出して言霊にする事で2人は離れる事はもう無いんだと、自分を勇気付けて来た。


　 「お前とは一生ハナレナイ」


のジェシーの言葉も相当強い言霊だけどね。




北「たまには2人でご飯食べない？」

優「い〜ね〜」

クシャクシャな笑顔で俺を見る君は眩しすぎる。

仕事が終わって行きつけのレストランにタクシーで向かう途中こーちが車の窓を開けた。

優「俺、この季節好きなんだよね。窓開けて、外の空気吸いながら自分も運転したりしてさ。」


北「確かに。気持ちいいよね。」


優「あ！！金木犀の香りしない？」


北「ホントだ！いい匂い」


優「こんな都会でも金木犀の香りするんだ・・・」



そんな事を呟く君の横顔は心無しか寂しげに見えた。



北「ジェシー居なくて寂しい？」


優「へ？ あ・・・いや・・・」


驚いて俺の方を見るこーちの瞳は微かに濡れている。


優「ジェシー・・・。金木犀の香り好きだから・・。

でも金木犀て咲く期間が短いじゃない？

毎年楽しみにしてるらしいんだけど今年は嗅げないかなぁなんて・・・」


北「そっか・・・」


話しを自分で振っておいて傷付いている自分がいる。


だって君が寂しそうだったから。





　

　

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