ひまわり 8 〜 yarn for you 〜

1 罪な人 ページ29

ジェシーside

　 『こーちは俺ら5人とズブズブ』

ジ「は？」


たまたま番組収録の休憩室に置いてあった雑誌を穴が開くくらい見直す。

その衝撃的な言葉に思わず喉が鳴った。

言葉の主は大我と北斗で、俺らの仲の良さを表しただけなんだろうけど。

人間関係において表現されるその言葉は、世間一般的に男女のイケナイ関係を表すもので、なんだかモヤモヤしてしまった。

普段なら笑って済ませられるはずなのに、無視出来ないその理由は・・・




優「どーする？ゴルフ、今度は誰と行きたい？」

北「んー・・・この前の感じじゃ、俺ってやっぱりまだまだじゃない？他の人を混えるより、あなたと2人で行った方が気が楽なのよね」

優「え〜そっか！じゃあ2人で行くか！」

慎「えーー！！だったら俺も行きたい！！俺なら北斗も気ぃ使わないじゃんっっ！！俺も誘って！！」

優「声デカッ！！てか、お前この日オフじゃねーじゃん。そもそも予定が合わないんだわ」

慎「はあ？だったら休む！！その日休む！！」

優「ダメに決まってんだろ！！」

そう言いながらもギャーギャーと騒ぐ末っ子を宥めながら「今度な」って優しく笑う優吾。

それを聞いて慎太郎が「本当に？約束だよ」て、ヘニャヘニャと嬉しそうに笑う。

あーあ。
そういうところでみんなを沼らせていくんだよなぁ。
しかも無自覚っつーのがタチが悪いんだ。
パートナーとしては本当困る。


そして北斗はというと、2人のやりとりを見ながら静かに微笑んでいて・・・。

そんな北斗をずっと見つめていたら自然と視線がかち合った。

彼は申し訳無さそうに俺に向かって「ごめん」て口パクしながら手のひらを合わせるから、片手を上げて「いーよ」て合図は送ったけどさ・・・
このモヤモヤの原因は君にもあるんだよ。




なぜなら最近、優吾は北斗と出掛け過ぎなのだ。

しかも距離感がおかしい。
優吾からしたら「可愛いくてしょうがない弟」みたいな感じらしいけど・・・。

今まで心の奥底にしまっていた北斗への感情が一気に溢れ出してるみたいで、こちらからしたら気が気で無いのだ。



更にいつからどうやって知り合った？てくらいの趣味仲間や、どっかのお偉いさんや先輩とのお出掛けも多いし、さっきの雑誌の件と北斗の事も合わせて、ここ最近なりを潜めていたはずの嫉妬でイライラしていた。

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