ひまわり 8 〜 yarn for you 〜

1 俺の太陽 ページ12

優吾side



優「どうしたの？」


腰にタオルを巻いただけの風呂上がりのジェシーが、壁に向かって仁王立ちしている。


ジ「うーん・・・なかなか埋まんないね、これ・・・」


そう言ってトンと指差したそれは寝室の壁に貼られた大きな白地図。


優「そうだな・・・」




俺らがJr時代に「2人で47都道府県を巡ろう」と決め、デビューしてからようやく行けた岐阜旅行の後に買ったものだ。

行ったところに色を塗って全てを塗り潰す。

それが仕事のモチベーションを上げる為の2人の目標だ。





優「でもさ・・俺らこんな忙しい中頑張ってる方だと思うけど」


ジ「んーん・・・。俺はもっと優吾と旅行したい。あっちこっち行って、美味しいもん食べて、温泉入りたい・・・」


そう言いながらジェシーが俺を抱き締める。

最近のジェシーは、お疲れなのか甘えたいのか、ちょいちょい我儘を言うんだ。


優「そうねぇ。またマネージャーにお願いしてみる？」


俺の言葉にジェシーはわかりやすく見えない耳をピンと立て、尻尾をブンブンと振った( ・・・ように見えた )


ジ「え！本当？！優吾大好き！！」


どさくさに紛れて思いっきり抱きつくジェシー。


優「ぉわ！」

嬉しそうにギューギューと抱き着いてくるこういう単純で素直なとこ、本当可愛いんだよなぁ・・・。



きっと今年のスケジュール的にまとまった休みは厳しそう。

けど行けないにしても、こうやって俺が働きかけてあげるだけでも違うんだろうな。




優「待っててな。明日の朝の送迎、だぁーだから聞いてみるよ」

ジ「うん！」



　

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