ひまわり 6 〜 yarn for you 〜

1 愛のしるし ページ30

ジェシーside


世間はクリスマスも終わり、年末から正月への準備も忙しい頃。

俺らは有難いことに、そんな準備に時間も割けないほど仕事に忙しくしている。

様々な音楽番組のリハーサルや発売されるCDのプロモーションやら雑誌の撮影やらで目まぐるしい毎日。




当然のごとく優吾と過ごす時間もないわけで・・・

俺は優吾不足でストレスが溜まっていた。



家に帰っても甘い雰囲気は皆無。

しきりに優吾は「疲れた疲れた」って言うし、おじいちゃんかよ・・・



俺は優吾不足で、このどこにも放たれないエネルギーを持て余してるっつーのに。

たまには放出したいのよ・・・って言えるわけもなく。




だって風呂に入って夕飯食べる頃には、向かい合わせに座っている優吾は、箸を持ちながらこっくりこっくりと居眠りしてるんだもん。


前かがみにコックリしてたかと思うと、ハッとして起きて
そんで今度はガクンと天井を仰いだかと思ったらまた起きて
・・・の繰り返し。

ご飯中に居眠りしてる赤ちゃんの動画見てるみたい・・・。




だからそっと近付いて、優吾の手に握られてる箸をテーブルに置いてあげて、そのまま抱っこしてベッドに連れて行ってあげる。

優「・・んー・・じぇ・・・す・・ごめ・・・」


「ん」て言い終える前に眠りに着いちゃうし・・・



寝室に入り、ベッドに仰向けに寝かせると、すぐにゴロンって横を向いて胎児みたいに丸まって眠る優吾。

背中向けられたのが寂しくて、思わず優吾の背後に入って
抱き着いた。



あったけ〜〜。

子供体温な優吾は、ホントにあったかい。

けど足も絡ませてギューギュー抱きしめてるっつーのにちっとも起きやしない。



もおー！

そのうち、スー・・スー・・って規則的で感覚の空いた寝息に、深い眠りに入った事を悟る。


こりゃもう起きないな・・・寂し・・・


ため息ひとつついて、チュって頭にキスを落とす。

ベッドから出て夕食の後片付けをしようとした時、ふと今朝の出来事を思い出した。





　

2→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す