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ジェシーside
銀髪のその男は、座って作業をしているこーちにバックハグをして耳元で何かを囁いている。
優「いらっしゃいませ!!・っ・・え?・・・」
優「ジェシー・・・」
こーちは眼をまんまるくして驚いていた。
そりゃそうだ。婚約者がいるなんて言ってないし、
ましてやその人の為に婚約指輪を作るなんて事も。
しばしの沈黙の後、その男がこーちに向かって
?「今日、待ってるから・・・」
て言いながらこーちの頬にキスをし、俺らの方に向かって来た。
銀髪男はすれ違いざまにギロリと俺の方を睨んだ気がしたけど、彼には全く見覚えが無かったし、睨まれる筋合いも無い。
けど、今の場面を思い起こすと、こーちとどういう関係なのか気になってしょうがなかった。
まさかあの指輪の?
すると呆然としていた俺の腕を、肘で彼女が突っついて来た。
美「ねえねえ・・・知り合い?」
はっとして、こーちを見るとニヤニヤしている。
優「えーー!すごぉーーい!彼女?こーんな可愛い恋人が居るなんて教えといてよ!ジェシー!!」
ジ「こーち・・・」
その満面の笑顔に胸が押し潰されそうになった。
ジ「俺の・・彼女・・『婚約者の羽田美咲です』」
優「ジェシーの高校時代の友達の高地優吾と申します!はじめまして。美咲さん!」
美「わあ!!このお店にずっと来たいって思ってたんです!婚約指輪作るなら絶対この店って決めてて!
でもなかなか予約取れなかったから・・・
まさかジェシーの友達だったなんて!!」
優「なーんだぁ!言ってくれたら良かったのに・・」
ジ「はは・・美咲がこの店知ってるなんて思わなかったから・・」
美「この人、こういうの疎いんで・・」
そう言って美咲は俺の頬をツンって指先でつついた。
やめてくれ・・
こーちの前で・・
苦しい
苦しい
彼女は全く悪く無いのに。
そんな風に思う俺はサイテーだ・・。
そんな俺の気持ちなんて無視して2人は楽しそうに指輪のデザインを選んでいる。
優「まず、石とリングの素材とデザイン選んでもらってー。それと石座の形もね」
美「石座?」
優「宝石乗せる部分」
美「へー。」
優「もしあれだったら、俺が今まで作った指輪のアルバムあるから、持ってていいよ。ゆっくり2人で選びな。たたき台が決まれば、後は自分好みのデザイン入れて行けるから」
美「えー!いいんですか?」
優「もちろん!どーぞどーぞ!」
そんな2人のやりとりを俺はぼんやりと上の空で聞いていた。
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櫂(プロフ) - thhyさん» thhy様、とても嬉しいです!かなり昔の作品ですが私もお気に入りなので、thhy様のコメント頂けて機会があったら続編も書いてみたいなって思えました。ありがとうございます(^^) (2月9日 0時) (レス) id: 10b1900e3d (このIDを非表示/違反報告)
thhy - このお話とっても面白いので更新待ってます! でも、無理だけはしないでくださいね! (2月3日 11時) (レス) @page50 id: 69657aab33 (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - sailさん» うわぁーん!sailさんお久しぶりです!嬉しい!読んで頂いてるだけでも励みになります(//∇//)しかし今回は難産でした笑。jsygはいつも書いてるので良かったのですが残り2組が難しかった。でも大好きって言ってもらえて良かった(≧∇≦)まだまだ精進せねばです笑 (2021年6月25日 1時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - お久しぶりです!最近立て込んでいて感想等書けなかったのですが、櫂さんの作品をいつもすごく楽しく拝読しています!このお話も三者三様にラブラブで少し切なくて大好きでした。ラストはまさに大団円で…涙。彼らの幸せな姿をまた見られれば嬉しいです。応援してます! (2021年6月25日 0時) (レス) id: b8f530ada7 (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - サキさん» サキ様ぁ!コメントありがとうございます(^^)そう言って頂けるとこちらこそ幸せな気持ちになります(//∇//)作品を作るうえで行き詰まった時に、皆さんからのコメントを読み返してパワーに変えてるんですよ(≧∀≦)本当にありがとうございます。更新頑張りますね(^^) (2021年5月19日 16時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫂 | 作成日時:2021年4月13日 17時