Leucadendron Jade Pearl

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ジェシーside

高校生時代。

春が過ぎ、夏が来て、秋が訪れ、冬はあっという間に俺の前を通り過ぎる。

こーちとは一年生の時からクラスが一緒だったけど
彼と過ごす一年一年はあっという間だった。

そして一番近くに居たのに、胸に仕舞った彼への想いは告げられぬまま卒業を迎えた。

それでも勇気を出して「親友だから交換しよう」って
強引な理由付けをし、約束して貰った物がある。


ジ「こーち・・・第二ボタン・・・」

卒業式後、打ち上げも終わった帰り道。

歩道橋の上で君の独特な笑い声が響く。

優「はいよはいよー。死守すんの大変だったんだから。みんなには誰に渡すんだって、イジられるし・・・」

じっと俺を見つめ、ゆらゆらと瞳を揺らしながら
こーちは俺の前にそのボタンを差し出し、俺も握っていた自分の第二ボタンをこーちに手渡した。

お互いに全てのボタンが無くなった制服を指差しながら笑った。

こんなんいつからなんだろう？

好きな人の第二ボタンをもらう、なんて事が始まったのは。



俺は彼の事が恋愛対象として好きだった。

男同士という壁に阻まれ、親友というポジションに甘んじてはいたけど。

苦しくて、切なくて
いつか自分の口から好きだって言葉が飛び出してしまわないかといつもヒヤヒヤしていた。

男性が好きなのかと自分のマイノリティに悩んだこともあったけど、卒業してこーちと離れると、
恋愛対象はやはり女性だという事がわかった。



彼が特別だったのだ。

「高地優吾」だから愛した。

好きになった人がたまたま男性であったというだけの事・・・。



だから彼の事を忘れようと、卒業後は自分から連絡を徐々に遠ざけた。

あれから8年・・・


長い年月が経ったにも関わらず、君に再会した俺は
やっぱり君を忘れられていなかった事を思い知らされる。

完全に鎮火されていなかった種火は、「再会」という酸素を得て再び俺の中で燃えあがった。


こーちが好き。


あの第二ボタンは、君を忘れる為に何度も捨てようかと思ったけど、今でも俺の宝箱に入ったままだった。



　

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