1 絢爛たる情熱 ( 青桃 ) ページ37
樹side
北「こっちがいいかなぁ・・」
優「うーん。どっちも似合うよね慎太郎なら。カッコいいもん・・・」
北「えぇー///。だよね。悩む・・うぅー」
優「どっちもとか!2つ買ってくれたらもうひとつは半額にするから!」
北「お前なぁー。ここで突然商売っけ出すなよー」
優「だってさぁ、オーナーがそこにいるからもう1個はタダでいいよとか言いづれーじゃん」
樹「おい!聞こえてんぞ!」
ヒャヒャヒャと大笑いしている俺の腹違いの兄の優吾と、慎太郎へのプレゼントのピアスを一心不乱に選んでいる北斗を横目で眺めながら俺は店の片隅でモーニングコーヒーを飲んでいた。
樹「ねえ優吾ぉ。なんか食うもんない?」
優「あーごめんごめん!今朝パン焼いたから今出すわ!昨日のビーフシチューの残りもあるけど食べる?」
樹「おん」
優「北斗は?」
北「食べる!」
変な動きをしながらバタバタと忙しない優吾を見ながら、この人と本当に血が繋がってるのかと微笑ましく見ていた。
そして彼と知り合うキッカケになったとある出来事を思い返していたら、ふとあの人を思い出した。
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この世にこんなにも美しい人がいるのか・・・。
京本大我。
彼への第一印象はそれだった。
あれは2年前。
父が亡くなり葬儀が終わった直後から、俺の家には
電話がひっきりなしに鳴るようになり、数人の弁護士が出入りする様になった。
俺の父親っていうのは仕事も私生活も豪快な人で、仕事はバリバリこなすのはいいけど数え切れないほどの愛人もいた。
俺の母親は本妻で、そんな父親に半ば呆れながらも
子供の為にと離婚せずにいた。
その母親は心労が重なったのか、父親よりも前に呆気なく亡くなった。
そんなんだから父親が亡くなると、その遺産を巡って
愛人達がこぞってうちに弁護士を送り込んできたのだ。
もちろん、本当に父の子供なのかなんてわかったモンじゃ無いけどさ・・・。ここ最近ずーっとその対応に追われて俺は辟易していた。
樹「あー。メンド・・・」
いっその事、ぜーんぶそこいら辺に遺産をばら撒きたい気分だったけど、そういう訳にもいかねーしなぁ・・・。
当時調査会社に頼んで調べてもらった感じだと、確実に法律上認知されて居たのは優吾だけ。
あとは皆さん自己申告だから、後で面倒な事になるのもイヤで、ついでに全員遺伝子検査をする事にした。
そんな中、乗り込んで来たのが京本大我と名乗る
人物だった。
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櫂(プロフ) - thhyさん» thhy様、とても嬉しいです!かなり昔の作品ですが私もお気に入りなので、thhy様のコメント頂けて機会があったら続編も書いてみたいなって思えました。ありがとうございます(^^) (2月9日 0時) (レス) id: 10b1900e3d (このIDを非表示/違反報告)
thhy - このお話とっても面白いので更新待ってます! でも、無理だけはしないでくださいね! (2月3日 11時) (レス) @page50 id: 69657aab33 (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - sailさん» うわぁーん!sailさんお久しぶりです!嬉しい!読んで頂いてるだけでも励みになります(//∇//)しかし今回は難産でした笑。jsygはいつも書いてるので良かったのですが残り2組が難しかった。でも大好きって言ってもらえて良かった(≧∇≦)まだまだ精進せねばです笑 (2021年6月25日 1時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - お久しぶりです!最近立て込んでいて感想等書けなかったのですが、櫂さんの作品をいつもすごく楽しく拝読しています!このお話も三者三様にラブラブで少し切なくて大好きでした。ラストはまさに大団円で…涙。彼らの幸せな姿をまた見られれば嬉しいです。応援してます! (2021年6月25日 0時) (レス) id: b8f530ada7 (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - サキさん» サキ様ぁ!コメントありがとうございます(^^)そう言って頂けるとこちらこそ幸せな気持ちになります(//∇//)作品を作るうえで行き詰まった時に、皆さんからのコメントを読み返してパワーに変えてるんですよ(≧∀≦)本当にありがとうございます。更新頑張りますね(^^) (2021年5月19日 16時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫂 | 作成日時:2021年4月13日 17時