1 閉じた心を開く ( 緑黒 ) ページ23
北斗side
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気怠い月曜日の早朝。
重い足を引きずって、朝から雲行きの怪しい空を眺めていたら更に重くなる気持ち。
俺の数十メートル先には、こんな日でもスキップを
踏んで何やらご機嫌な大男。
すると俺の横をさっと風が吹き抜け、パタパタと追い抜くシルエット。
そのシルエットの主が、先を歩いていた大男に追いつき何やら喋っている。
近付くにつれ聞こえてくる会話。
?「傘持ってった方がいいって、さっき言ったじゃん!忘れてるよ。ジェシー!」
ジ「えー。これ優吾のだよ。俺持ってるもん・・」
優「あ!ホントだぁ・・・」
ジ「もうあわてんぼだな!」
大男が、彼よりも少し背の低いふわふわ頭の彼の額を軽くコツンと叩く。
テヘッみたいな顔をして傘を持って走って来た彼が「ごめんねぇ」て言いながら大男の腕に自分の腕を絡ませて柔らかく微笑んだ。
すると大男が
「でもありがとね」て言いながらチュッチュッって
キスの雨を降らしている。
遠目からでもわかるそのラブラブな行為を、
横目でずっと眺めながらその横を通り過ぎようとしたその時、声を掛けられた。
優「あ!おはよう!北斗!」
北「・・うっす・・・」
ジ「おー!北斗!おっはよ!一緒に行こーよ!」
北「はあ・・・・・」
そう。
実は俺たちは知り合いなのだ。
そんな俺の目の前で、全く遠慮もせず2人は唇にキス。
しかも結構深い・・・。
ちょっとは遠慮しろよって思うが、人目を気にしないのがコイツらのいいところでもあり・・・。
北「ねぇ・・・まだ?」
俺の存在を忘れていたのかいないのか、2人はパッと離れて「ごめんごめん」て、顔を真っ赤にして慌て始めた。
北「もおー・・・」
まあ、こうやって不躾に物申せる間柄ではあるのだが
毎回こんなやり取りをして困ってる。
ジ「じゃあ!優吾またね!!行ってきます!」
優「行ってらっしゃい!!」
目尻をクシャクシャにして笑いながら道の真ん中で両手を振るこーちを、何度も振り返っては更に大きく両手を振りかえすジェシー。
朝からなんなんだ・・・この新婚さんの幸せな絵面は?
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櫂(プロフ) - thhyさん» thhy様、とても嬉しいです!かなり昔の作品ですが私もお気に入りなので、thhy様のコメント頂けて機会があったら続編も書いてみたいなって思えました。ありがとうございます(^^) (2月9日 0時) (レス) id: 10b1900e3d (このIDを非表示/違反報告)
thhy - このお話とっても面白いので更新待ってます! でも、無理だけはしないでくださいね! (2月3日 11時) (レス) @page50 id: 69657aab33 (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - sailさん» うわぁーん!sailさんお久しぶりです!嬉しい!読んで頂いてるだけでも励みになります(//∇//)しかし今回は難産でした笑。jsygはいつも書いてるので良かったのですが残り2組が難しかった。でも大好きって言ってもらえて良かった(≧∇≦)まだまだ精進せねばです笑 (2021年6月25日 1時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - お久しぶりです!最近立て込んでいて感想等書けなかったのですが、櫂さんの作品をいつもすごく楽しく拝読しています!このお話も三者三様にラブラブで少し切なくて大好きでした。ラストはまさに大団円で…涙。彼らの幸せな姿をまた見られれば嬉しいです。応援してます! (2021年6月25日 0時) (レス) id: b8f530ada7 (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - サキさん» サキ様ぁ!コメントありがとうございます(^^)そう言って頂けるとこちらこそ幸せな気持ちになります(//∇//)作品を作るうえで行き詰まった時に、皆さんからのコメントを読み返してパワーに変えてるんですよ(≧∀≦)本当にありがとうございます。更新頑張りますね(^^) (2021年5月19日 16時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫂 | 作成日時:2021年4月13日 17時