Leucadendron Jade Pearl

19 ページ20

ジェシーside


こーちが救急搬送された病院の待合室。

彼は急性硬膜下血腫という状態になり、血腫を除去する手術を受けている。


ここに到着してから美咲はずっと泣いていた。


美「ごめんなさい・・ごめんなさい・・・私・・」

ジ「美咲・・・」

美「妊娠してるなんて・・・嘘ついて・・・」

ジ「嘘・・？」

美「取られたくなくて・・・高地さんに・・あなたを取られたくなくて・・・嘘ついてたの・・・」

ジ「本当に？」

美咲は泣きながらコクリと頷いた。



美「・・私・・・知ってた。
出会った時から、ジェシーの中に誰か思ってる人がいる事・・・」

ジ「美咲・・・」

美「それでも私から告白して、何度も断られたけどようやくお付き合い出来て・・・私幸せだった」

美「でも・・・ここ最近の貴方の様子がおかしくて・・。後をつけたことがあったの。

そしたら高地さんの店にいつも寄り道してて・・・。

はじめは男の人の店だから安心してた。

でも・・・ジェシーが高地さんを見る目が・・・

とても愛しい人を見る目で・・・

だから、この人なんだ・・・ジェシーの心にずっと居た人は・・て気付いちゃった・・」


ジ「ごめん・・・ごめん美咲・・・」


美「ううん。私こそごめん。
笑い合ってる2人見てたら敵わないなって思ったのに

でも・・・やっぱり諦められなくて。
だからあの人の店だって知ってて、わざと指輪を作る
予約入れたの・・・。

なのに貴方の心はますます私から離れてく。
だから私・・咄嗟に高地さんに妊娠してるなんて嘘ついて・・」


ジ「いや全部俺が悪いんだ。もっと早く君に伝えて・・いやそもそもこんな半端な気持ちで君と付き合うべきじゃなかったんだ。

結局君をこんな形に追い込んで・・・嘘までつかせて・・」


美咲は左右に首を振って項垂れた。


美「高地さん、お腹に赤ちゃんいるなんて嘘ついたから私を庇ってあんな事に・・・」


ジ「たとえお腹に赤ちゃんいなくても、こーちは同じ事したよ・・」

美「うっ・・ん・・・どうしよう、私・・私・・」

ジ「きっと大丈夫。大丈夫だから！」



自分も不安で押しつぶされそうだったけど、泣いている美咲の肩を抱いて慰める事で、自らも鼓舞した。

すると「手術中」のランプが消え、先生が俺達に向かって歩いて来た。

ジ「先生！どうですか？こーちは？」

医師「もう大丈夫ですよ。血腫も全て取り除けましたから。安心して下さい」

美咲と2人顔を見合わせてほっと胸を撫で下ろした。

20→←18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す