Leucadendron Jade Pearl

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ジェシーside


俺とこーちが彼女に向かって走り出す。

先に手が届いたのはこーちだった。



こーちが美咲の身体と自分の身体を反転させるようにして庇い、彼女の身体を俺の方に押した。

彼女は俺の腕の中に抱き止められ、
こーちはまるでスローモーションの様にその姿が俺の視界から消え、嫌な音を立てながら階段を転がり落ちて行った。


ジ「こーち！！！！！」

美「！！！」


美咲を残し俺は階段を駆け下りるとかなりの高さが
あり、階段の下は硬いコンクリートだった。


ジ「こーち！こーち！しっかりしろ！！！」


こーちは階段の下に倒れていて、俺が抱き起すと
薄っすら眼を開けた。


美「うそ・！！・・血が・・・」


いつの間にか階段を降りて来た美咲が悲鳴に近い声を出す。

美咲の声で、俺はこーちの後頭部を支えている方の手がぐっしょりと濡れている事に気が付いた。

そしてその血は俺の手を伝い、地面の上にどんどんと血溜まりを作っていく。


ジ「こーち！！！」


優「ジェシ・・美咲さ・・・赤ちゃ・・だい・・・
じょ・・ぶ・・？」


ジ「美咲も赤ちゃんも無事だよ！！大丈夫！！」


優「・・・良かっ・・・・・」


こーちは少し微笑んで眼を閉じた。


ジ「こーち！！こーち！！」

美「・・・・どうしよう・・・」


この騒ぎを聞きつけて周囲の人が「今、救急車呼びましたから！」て言ってくれた。


ジ「あ、ありがとうございます・・・」


情けない事に俺の声は震えていた。


ジ「こーち・・・今救急車来るからな・・・」


ギュッと抱きしめたけど、こーちは硬く眼を閉じてしまって、全く反応しなくなった。

血溜まりはその間も広がっていく。

ポケットに入っていたハンカチで後頭部を圧迫したけど、そんなものは全く無意味だった。


ジ「こーち・・・眼ぇ開けてくれ・・・こーち！！」

美「・・・どうしよ・・・」

ジ「美咲・・・？」


美咲は顔面蒼白になって小刻みに震えていた。
俺がパニックになってちゃ、美咲が不安になる・・。
必死に心を落ち着かせた。


ジ「大丈夫だよ・・美咲・・きっと大丈夫だから・・落ち着いて・・・」


ジ「・・・美咲？」



美「・・・」



美「・・・・・嘘なの・・・・・」



ジ「え？」



美「・・ご、ごめんなさい・・・」




ジ「美咲？」



美咲は顔を覆って泣き出した。




美「・・・・・赤ちゃん・・・・・」





ジ「・・・え？・・・」





美「嘘なの・・・・・」


　

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