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北斗side
嫌な予感は現実のものとなる。
樹が亡くなって数日後の夜、俺は妙な胸騒ぎがして
先生の家へと急いだ。
玄関の鍵は開いていた。
浴室から水の流れる音だけが聞こえて来て
冷や汗が俺のこめかみを流れ落ちる。
浴室の扉を開けると浴槽に浸かった手首から血を流し、青白い顔をして意識を失っている先生がいた。
北「何て馬鹿な事を！！！」
〜 〜 〜
もう聞きたく無いと思った心電図の音。
骨と皮みたいになった細い腕に刺さった点滴。
手首に包帯を巻かれたもう片方の手をそっと握ると
閉じられていた瞼がゆっくり開いた。
北「先生・・」
優「北・・斗・・ここ・・どこ・・・」
北「病院・・」
こーちは呆然としながら涙を流した。
優「死ねなかった・・」
優「樹の・・とこ・・・行きたか『馬鹿っっ！！』」
北「樹がこんな事して喜ぶと思う？ねえ！！」
優「ほ・・く・・」
北「樹、そんな奴じゃないじゃん！！アイツは貴方を幸せにしたいって、いっつも言ってた！貴方の幸せを誰よりも願ってる奴だった！！
なのに・・こんな・・こんな痩せちゃってさ・・・
今の先生見たら、樹、かなしむよ・・・。
樹のとこ行きたいなんて言ったら、きっと樹は
まだ来んな！って怒るよ・・・。泣くよ・・」
優「北斗・・・だって俺・・・こんな俺・・・」
優「生きてる価値無い・・」
北「そんな事無い！！」
北「先生には生きてて欲しい・・。樹が愛した
最初で最後の人に自ら命を絶ってなんか欲しく無い！
先生が死んだら、樹が生きて感じていた喜びや思い出が全部無くなってしまう気がするから・・」
優「北斗・・」
優「ごめん・・ごめん・・」
握っていた手に力を込めると先生も強く握り返してくれて、そこからずっと2人で泣いていた。
〜 〜 〜
樹の四十九日が過ぎた頃、俺は先生に告白した。
北「好きです。多分樹と同じくらい前から」
北「樹の代わりにはなれないけど、これからは
貴方の側にいたい。支えさせて欲しい」
先生は眼を見開いて驚いた顔をしたと思ったら
とても困った顔をしながら笑った。
優「ありがとう・・北斗」
YESともNOとも返事は無かったけど、以前より少し体重の戻った彼の身体を抱き締めた。
優「ありがとね・・」
それから幾度も身体を重ねた。
互いに足りない物を補うように。
北「優吾・・優吾・・」
けれど名を呼んでも彼は虚な瞳で俺を見つめ、差し出される手はいつも空を彷徨っていた。
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櫂(プロフ) - (名前)こーじさん» こーじ様ぁ。私の拙い作品を読んで頂きありがとうございます(//∇//)とても嬉しい〜。こちらの作品は途中自分も辛くなってなかなかお話しが進まなくなった思い出深いものです。これからもこーじ様にハマって頂ける作品を作れたらなぁって思います（≧∇≦） (2022年4月12日 17時) (
レス) id: 71bb51adba (このIDを非表示/違反報告)
(名前)こーじ(プロフ) - 最近、櫂さんの作品を見るのにハマっています‼︎今回の作品を見つけてやっぱり、櫂さんの作品に間違いはないなと思いました。それに、この作品めちゃ泣けました😭😢 (2022年4月11日 23時) (レス) @page34 id: f61fc3e8a4 (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - たぬをさん» そんなそんな。たぬを様をメロメロに出来たら本望ですよ(//∇//)これからも振り回せるようにygみたいに筋トレして精進しまーす笑笑(≧∀≦) (2021年4月3日 21時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
たぬを(プロフ) - 嗚呼ああっっ櫂様の作品や櫂様からのコメ返しでメロメロにされてしまう(泣)まるでygのような櫂様に振り回されたいっっ(≧∀≦) (2021年3月28日 20時) (レス) id: 31d9a0f904 (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - たぬをさん» とっても嬉しいのです(//∇//)これからもよろしくお願いします(^^)ドロドロは「鵺」の方で発散して行きます！笑。 (2021年3月28日 18時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂
| 作成日時：2021年1月5日 21時
