手紙

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ジェシーside

階段を降りる時もこーちの後頭部をみながら小さくガッツポーズをした。
　 (よっしゃ！！！念願のこーち呼び！！！)

じゃあまたね、って言って別れた。
嬉しくって足取りも軽くなる。なんならスキップなんか踏んでみる。


クラスに戻るとクラスメイトが一斉にこっちを見る。先程の友達が俺に駆け寄って来て
友人「お前なんでこーち先輩と繋がってんだよ！サッカー部でもないのに！みんな先輩に憧れてんのに、サッカー部の俺らでさえ3年の先輩のガードが固くてなかなか話しかけられないんだよ。いーないーな。」

クラス全体がそーだそーだと言わんばかりの雰囲気だ。だからざわついてたのか。
こーちは県代表にも選抜されている。クラブチームからも声がかかってるって聞いた。

ジェ「まぁ、なんかたまたま話す機会があって？みたいな」
て、訳わからない事を言ってごまかす。親同士が再婚する事は学校では内緒って事にしようってなってたから。
友人「さすがジェシー、コミュニケーションお化けだよなぁー」
て、勝手に納得してくれたから良しとしよう。

その後授業を、受けてたけど色々妄想し過ぎて全く頭に入って来なかった。
俺はなんでこんなにウキウキしてるんだろう？


それからはサプライズに向けて打ち合わせしたり、買い物に行ったりして、2人で過ごす事が多くなった。
そこで気づいたんだけど、こーちは人との距離がめちゃくちゃ近い。メンタル的な面もそうなんだけど、物理的な距離もそうなんだ。話してる時なんか距離は0cmだ。なんだったら、そこから更に追い討ちを掛けて来るように寄り掛かってくる。
こっちとしてはそんな距離感がなんだか辛いのだ。動悸が凄いんだ。なんで？なんでだろ？


もうひとつ不思議な事がある。
こーちがサッカー部で友達と一緒にいる時を見てると、まぁーみんなのこーちに対するべたべた感が凄いんだ。みんなに愛されてる証拠なんだろうけど「ちけーよ。しつけーよー。」て大笑いしてるこーちを見てると胸が押し潰されそうになる。みんなに対する距離も近いんだ。距離が近いのは俺だけでいいのにってふと思った。
これもなんだか不思議な感じのひとつ。


　 〜 〜 〜 〜 〜 〜

サプライズも無事に終わって泣き笑いしてる父さんと母さんを見て、俺たちも泣いた。みんなで大泣きした後「これからも、よろしくねーっ」て4人で笑い合った。


こんな幸せがもっともっと増えると、思ってたのに・・・

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