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樹side
昨日ママに突然言われたこと。父ちゃんの仕事の関係で引っ越しが急に決まったと。
俺は勿論反発した。ここに残って今の高校を卒業したいって。だけどママは残り一年半高校生1人で過ごさせる訳には行かない!てきつく言ってきた。そういうところはきちんとしてる人だから頑なだった。
ここに兄ちゃんが一緒に住んでれば良かったんだけど、今は海外で生活してる。はぁー。
目の前が真っ暗になった。
こーちに思いを伝えないにしても残りの高校生活を共に過ごすつもりだったのに。
優吾side
ボーッとしてる樹を、帰り際屋上に連れ出した。
優「なんかあったんでしょ」
樹「んー。」
小さな声でポツポツと話し始めた。
樹「俺、引っ越す事になったんだわ」
優「え!マジか!あ〜。マジか〜」
ものすごくショックだった。ショック過ぎてその後の言葉がなかなか出てこない。樹も喋らない。
しばらくの沈黙の後・・・。
樹「俺さー。実は好きな子がいるんだわ」
優「え!マジ⁈ そんなんはじめて聞いた!誰、誰?」
樹はものすごく女子にモテるから思われる事は多々あっても、樹が好きな子の話しなんかそー言えば聞いた事がない。
樹「教えない」
優「はぁ〜?!そこまで言っておいてー?」
樹「うん」
樹は俯いたままだ。
優「なんだよー。誰かは教えてくれなくてもいいからさ、引っ越す前に告白した方がいいんじゃない」
すると樹は顔を上げで俺の方をじっと見た。いつも笑ってる樹ばっかり見てるから、こんな真剣な顔見た事ない。なぜかドキリと胸が弾んだ。
樹「告白はしない」
優「なんでだよー。もう会えなくなっちゃうかもしれないんだよ。言った方がいいって!」
優「俺も協力するからさー」
樹「しないって!」ものすごく大きな声で言われた。切ない顔の樹。今にも泣きそうだ。
優「なんだよ!その言い方!!じゃー、なんで今更俺にそんな事言うんだよ。協力して欲しいとかそう言う事じゃないのかよ!だったら言うなよ!」
俺もつい声を荒げて返してしまった。
樹「うるせー!!お前に俺の気持ちなんかわかるか!
告白出来るならとっくにしてるんだよ!!!」
樹の迫力に思わず俺は息を呑んだ。
だけど、売り言葉に買い言葉で
優「もう、じゃあ知るか!!!勝手にしろよ!!!」
て、捨て台詞を吐いて樹に背を向け屋上の階段を降りて来てしまった。
こんなつもりじゃなかったのに・・・
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櫂(プロフ) - ヨッシーさん» ヨッシーさん!コメントありがとうございます!作品読んで頂いてありがとうございます!とっても嬉しいです(^^)さて、ここでは詳しくは言えませんがヨッシーさんが18歳以上であれば、「設定」の1番下の方の設定を変えて頂ければ「手紙2」もよんで頂けると思いますよ。 (2020年9月17日 7時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - 櫂様へ はじめまして、こんばんは!いつも素敵な作品を読ませていただいておりますm(__)m『手紙2 〜君への想い〜』はR指定なのですよね?どうしたら読む事が出来るのか教えていただけたら嬉しいです!是非宜しくお願い致しますm(__)m (2020年9月16日 23時) (レス) id: c200c5a351 (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - ventさん» ventさん、暖かいコメントありがとうございます!私の拙い作品を読んで頂いて本当に嬉しいです!手紙は1番初めに書いた作品で読み返すと至らない点もあるのですが今回どうしても続きを書きたくなってしまいました。楽しんで頂けたら幸いです。今後も更新頑張りますね! (2020年8月5日 1時) (レス) id: 7e2afa0867 (このIDを非表示/違反報告)
vent(プロフ) - その後を読むことができて嬉しいです。緋色の月、ひまわりも読ませていただいており日々癒されております!櫂さんの書かれる少し切なくもある暖かい文章が大好きです。更新楽しみにしております!蒸し暑く過ごしにくい時期ですがご自愛くださいませ。 (2020年8月4日 23時) (レス) id: 2876756369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫂 | 作成日時:2020年6月19日 2時