逢魔時にご注意を。 (ページ8)

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お昼頃になってようやくノソノソと起きてくるのがここの人たちの" 当たり前 "

この組織は闇界隈では有名すぎる謎の集団とされて未だに素性がバレてる人はいないらしい。

裏で9人は" snow "と呼ばれ、恐れられてる。とか。

夕闇が全てを飲み込んで街全体を暗闇に包むように彼らの" (彼ら曰く)良心的な犯罪 "は夕刻から深夜にかけて行われる。

地味にコソコソと盗みを行ってるかと思えばそうではなくて、雪のように大胆かつ派手に、それでいて朝日が昇る頃には跡形もなく、痕跡すら残さない完璧な完全犯罪

法に触れるのか触れないのかとは次元が違う、誰にも証拠を掴ませない

そんな彼らだけど、仕事前や非番の日はそれはそれは人格が変わる。 _____ 犯罪者の面影はこれっぽっちも感じない。

……と、犯罪者の私ですらそう思う。

「A～～～」

『わわわっ……めぐろくん、』

「寂しかった？俺に会えない1週間は」

「寂しくなんかなかったよねえ！ずっと俺と一緒にいたもんねえ？」

「……ア？ラウでも許さねえよ？」

「俺だってめめには渡さないも～ん」

『ちょ、ちょっと…あの2人とも……』

「あはは今日も仲良しなこと」

『いや阿部くん見てないで助けてよ……』

「やあ～だっふああ…眠……」

長く伸びた前髪を掻き分けながら豪快にソファーに座ってギュッとその距離を詰めるめぐろくんとは本当に1週間ぶりだ

彼は群れることを嫌いアジトで寝泊まりすることは少ないそう。

だからといって単独行動をしたりみんなに嫌われてたりなんてことはなくてこれは8人なりの放し飼いらしい

この中では一番ラウくんと仲が良いらしく昔からアジトにめぐろくんが帰る日はラウくんはベッタリと離れないらしい

めぐろくんに次いで共有スペースに入ってきたのは私の命の恩人である、あべくん

ここで暮らすようになってからもあべくんの右目は見た事がない。常に左目だけが見えていてキラキラと常磐色が眩しい

そして彼は見た目ほど過保護ではない。

面倒ごとを嫌い、自分のメリットになることを好む。

というわりには輪の中でケラケラと笑っていることが多いんだが。

私を挟んでラウくんとめぐろくんの言い合いは続いていて翔太くんはチラリともこちらを見ずスマホとにらめっこ

ふっかさんはお気に入りのテレビ前に座り大きなヘッドホンを付けてとっくに自分の世界だ

ここの人間は自由すぎるのだ。

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