逢魔時にご注意を。 (ページ6)

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「この子誰のオンナっスかぁ～～？」

「あ！おいっ！目黒！」

「めちゃめちゃ美味そうな匂いしてんねえ～～」

『……っ、』

重くなったのは新たな男が彼女を後ろから抱きしめぐぐっと体重をかけていたせいだった。

彼女よりも何十センチも大きいであろうこの男は露草色の目をした彼がペシペシ叩こうが剥がそうが離れる気はないらしい。

ソファーで眠る男たちがムクムクと起き出し私とこの彼を見るなり「めめぇ～～」と眠そうな声を出す

「こら、目黒。まだその子も病み上がりなんだからそういうことは控えなさい。」

「……ちぇ～ …んじゃ元気になったらまた俺と遊ぼうね？」

「いや絶対駄目！目黒は本気で危ないから気をつけろよ！」

「なに～～しょっぴーのオンナなの～？」

ゲーム画面を見つめたままの彼は彼女に抱きついていた男を諭す。まるで後ろにも目がついているかのように。

彼女から離れ顔を覗き込む彼はこの中では浮くほどの漆黒の目をしていた。これが彼女からしたら普通、のはずなのに。

ここで再会した常磐色の目をした彼はまだ少し眠そうに手招きをし彼女を横に座らせた。

目の前のソファーには蜜柑色の目をした彼と白銀の目をした彼が頭をくっつけ合ってまだウトウトしている

全員がソファーにやや窮屈に座ったところで檸檬色の目をした彼はゲームに夢中の男に声をかけた

セーブ画面へと切り替わりよっこいしょと腰をあげた彼は深紫色の目をしておりどちらかというと漆黒の彼と似た普通な印象を受けた。

「じゃあ～～とりあえず照」

「なに？」

「なにってほら、説明してあげて」

「ふっかがすりゃいいじゃん」

「な～んでもそうやって年長者に任せるもんじゃないのよ～」

「もうはいはい。」

檸檬色の目をした彼は少し面倒くさそうにこう説明した。

「俺らはある人に頼まれてキミを盗んだ。盗んでここで安全に暮らしてほしいって依頼だったわけ。」

『……依頼？』

「俺らの仕事は悪いやつが盗んだ" モノ "だけを盗む良心的な泥棒。」

『……』

「ただ無償でやってたら割に合わねえ内容もあるわけ。だから依頼内容同等の料金と引き換えに必ずどんな" モノ "も持ち主へ返す。_____ 例え命を掛けた盗みでも必ず……」

9色の目をした彼らは自慢げに異様なほど妖艶に口角をあげて笑った。

これが少し前の彼女の話。

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