逢魔時にご注意を。 (ページ17)

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こんなにあっさりと依頼品を盗り戻せるとは思ってなくてアジトに戻る頃にはまだ20時過ぎ

「おかえり。ちょうど夕飯が出来るよ」

「おかえり～。めめももうすぐ解放される頃かな」

だてさんはキッチンに立って夕食の準備中で出迎えてくれたのは両腕を広げたふっかさん

あべくんとラウくんは共有スペースには居なくて翔太くんはアイマスクをしてPC前で爆睡している

……こんな、感じなんだろうか

「うにゃっA姫ぇ～」

『……』

さっくんが後ろからギューッと抱きついてくるけどそれどころじゃなくて「およよ？」なんて顔を覗かれる

「なんだか腑に落ちないって顔だねえ」

『こんな……簡単に…』

「簡単じゃねえよ。」

『え……でも』

照くんのほうを見るとふわっと笑って私の髪の毛をくしゃくしゃと撫でる

「翔太と阿部が徹夜してまで情報を集めてくれた。ふっかが焦る俺たちに飲まれず冷静に指示をくれた。目黒がターゲットの一味に混じって俺たちの行動に注意を向けないようにしてくれた。現場で俺たちに何かあったときのために佐久間、舘さん、ラウールが待機してくれてた。」

そっか……これまでずっと1人でやってきて、組織に飼われてたときも死と隣り合わせの一発勝負だった

だから、不安で怖くて、

「俺らが無事にここに戻って来られて依頼品を盗って来られたのは全然簡単なことじゃねえんだよ？」

『……そうだね…私、もっと依頼をこなせるようになりたい……みんなの役に立ちたい！』

「おう……とりあえずは自分の得意なことから慣れていけばいいよ」

『うん …ありがとう』

「ねえねえひかるぅ～佐久間の頭も撫でて～～」

「俺も俺も！！」

「なんでだよ」

「うひゃひゃ佐久間さんも次はA姫にかっこいいとこ見せたげるからねえ～」

『うん…楽しみにしてる』

「やっぱり照にぃ安心するわ～～」

3人で照くんにギュッとなってわしゃわしゃと頭を撫でられる。「動物園？」ってふっかさんが笑う

依頼品をふっかさんに渡して「改めてお疲れ様」とまた頭をポンポンと撫でられる

小さい子どもをあやすようで、けどワクワクとしたこんな感情は始めてだった

「さあ～ご飯食べよう」

「阿部ちゃ～ん！ラウ～！ご飯だよ～～」

「しょっぴーもご飯出来たで～」

また窮屈にソファーに腰掛けてめぐろくんはいないけど9人で手を合わせる

「それではいただきま～す」

初仕事、終了

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