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マサイside


店の看板を『営業中』にひっくり返す。
これは毎朝俺の仕事で、特に決めた訳じゃないけどなんとなーく決まっている。
この仕事は嫌いじゃない。

客をもてなすのも、料理を作るのも好きだ。


マサイ「いらっしゃいませー」


毎朝来てくれるサラリーマンと、ちょっと年のいった女性に声をかける。


.......この瞬間が、一番ドキドキする。


今日はバレてしまわないだろうか。
警察が来ないだろうか。
違いますか?と声をかけられないだろうか。


マサイ「はーい、シルクいつもの出して」

シルク「はいはい。あーモトキそれとって」


そんなことはないのだけれど。

......あのときとは違う。
俺らも大人になって、ある程度の冷静さは保てて。


シルク「マサイー、これ持ってって!」

マサイ「はーい。」

ぺけたん「あ、マサイこれも頼むわ」

マサイ「はいよー」


タマゴサンドとカフェラテをそれぞれ運ぶ。
真っ当な人間に、怪盗がお茶を出している。

それを思うとこの世は不思議なんだなあ、なんて意味のわからない感慨に浸ってしまう。


シルク「今日もお仕事ですか?」

会社員「あ、そうです。お昼休みにまた来ようかなと思ってて」

シルク「大変ですね」

会社員「いや、シルクさんも毎朝早くから働いてますし。ほんと活力になってます」


有り難いです、と笑うシルク。
いたずらっ子のような笑顔ではなく、優しい青年の笑顔。

.......本当のシルクはどっちなんだろう。


まあ、俺も人のこと言えないけど。


シルク「また来てくださいね」


ほら、目に見えてわかる疲れ。
苦手なくせに、愛想笑いするから。


マサイ「シルク、疲れてない?」

シルク「あ、大丈夫!ほら、ほらほら!」


肩をぐるぐる回す。

俺の好きな可愛らしい笑顔で笑う。
ずっとそんな顔してて。

あのときとは違うんだ。
なにもかも、違う。

 
大人になって。
優しくなって。
強くなって。

あのときより。


あの日より。









俺らが汚れた、あの日より。

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花ノ宮 - あっ、IDが違うのは携帯の機種を変えたからです。iPhoneになりました!(どうでもいい) (2019年4月22日 10時) (レス) id: dac1266b04 (このIDを非表示/違反報告)
花ノ宮 - ます〜さん» ただいまです(笑)。ありがとうございます!無事に高校生になれました〜 (2019年4月22日 10時) (レス) id: dac1266b04 (このIDを非表示/違反報告)
ます〜(プロフ) - おかえりなさい。それから、高校合格おめでとうございます! (2019年4月22日 1時) (レス) id: 0ad52e704e (このIDを非表示/違反報告)
梨乃 - やばい続きが楽しみ…!これからも頑張って下さいね!応援してます! (2019年1月21日 1時) (レス) id: c5f8136dfc (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - 警官ははじめん希望で! (2018年12月31日 1時) (レス) id: 06685890b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花ノ宮 | 作成日時:2018年8月11日 23時

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