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初めて使う鍵。
ただひたすら彼女の帰りを待つ。
A「ただいま〜」
一時間くらい経った頃、玄関から聴こえてきた愛しい人の声。
海人「おかえりっ！」
玄関まで走ってAちゃんに飛び付く。
A「わっ！海人くん、いらっしゃい」
海人「Aちゃん、お誕生日おめでとう！」
A「ありがと〜」
ふにゃっと笑うAちゃんはいつもと様子が違う。
海人「Aちゃん…酔ってる？」
A「えへへ。そんなに飲んでないんだけどね」
やばい…可愛い…
じゃなくて！
海人「帰り大丈夫だった？」
A「平気。ちゃんと意識はあるから(笑)」
確かに真っ直ぐ歩けてはいるし、気分も悪そうな感じはしない。
A「久しぶりだね」
ソファで俺の隣に座らせたら肩に頭を乗せてきてそう言うAちゃん。
酔ってるせいなんだろうけど、嬉しいのと心臓バクバクなのとで今日こそ何するかわかんないよ、俺。
海人「寂しかった？」
A「うん。ずっと会いたいなって思ってた」
こんな素直に言ってくれるなんて思ってなかった。
これも酔ってるせい？
海人「Aちゃん、やっぱ結構酔ってるよ」
A「ほんとにそう思ってたもん…。次いつ会えるかなって。…信じてもらえないよね」
俺から離れて俯いてる彼女を見て焦る。
海人「ごめん！信じる！俺も会いたかったし！毎日Aちゃんのこと考えてたよ！」
A「ほんと…？」
海人「ほんと！」
A「ふふっ(笑)」
可愛いな…
この人本当に年上なの？
海人「ねぇ、誕生日ってことは俺の6個上になったってことだよね？」
A「うっ…そうだね…。27だって…」
海人「大人〜！」
A「海人くんさ、前に��5つ下は恋愛対象なるか？��って聞いてきたじゃない？逆に6個上って海人くんの恋愛対象になるの？」
何だか色々期待してしまう発言じゃないか？！
海人「なるよ！年の差とか関係ない！」
A「そっか(笑)」
Aちゃん、俺が言いたいのはそんなことじゃないんだよ。
年齢とか肩書きとか、どうでもいい。
Aちゃんしか対象じゃない。
そう言えない自分が情けない。
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作者名：山田苺花
| 作成日時：2020年6月11日 2時
