#15 ページ15
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あれから何日か経った週末。
やっとAちゃんに会えるんだ〜！
Aちゃんはお休みだから、俺が仕事終わり次第ってことになってて。
意外と早く終わったから、ちょっと寄り道してAちゃんから聞いた住所へと向かう。
海人「着いた…」
オートロック解除してもらって部屋の前まで来れたけど…
すっっっごく緊張しててチャイム押せない…。
誰かに見られる前に入れてもらわないとなんだけど…。
意を決してピンポン！
A「海人くん、いらっしゃい！入って入って」
海人「お、お邪魔します…」
ついにAちゃんちに来てしまった。
自分から来たいって言っといて女の子の部屋に入れてもらうなんてお姉ちゃん以外ないから、どうしたらいいかわかんない。
A「適当に座ってて？」
海人「あ、うん」
女の子らしさもありつつシンプルな部屋で、何かいい匂いするし…
おかしくなりそう←
A「とりあえずコーヒーでも」
海人「ありがと」
A「今日もお疲れ様」
海人「Aちゃんも」
Aちゃんが隣に座ってくれて一緒にコーヒーを飲む。
夕飯にはまだちょっと早い時間だから、二人でテレビを観ながら過ごす。
え、普通に幸せ。
A「あ、海人くんだ」
テレビでこの間発売したCDの宣伝が少しだけ流れた。
A「私ね、ちょっとだけ海人くんたちのこと勉強したんだ〜」
海人「そうなの？」
A「うん。仲良くしてもらってるから、海人くんのお仕事のこと知っておきたいなって」
真面目だな、Aちゃん。
俺がアイドルだって知っても騒ぐことはないし、普通に友達として仲良くしてくれてるし、俺のことちゃんと知ってくれようともしてる。
海人「ありがとう。でも俺、Aちゃんの前ではアイドルであること忘れたいな…」
A「え？」
海人「他ではちゃんと自覚して行動しなきゃだけどさ、Aちゃんにはありのままの俺を見てほしいかなって…」
A「うん、もちろんそのつもりだよ？海人くんはアイドルである前に一人の男の人だもん」
バカだな俺。
そんなこと言わなくても、Aちゃんは俺自身をちゃんと見てくれてたんだ。
海人「……Aちゃんどうしよ」
A「ん？」
海人「嬉しすぎて今めちゃくちゃAちゃんのことぎゅってしたい…」
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作者名：山田苺花
| 作成日時：2020年6月11日 2時
