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「へぇ、探偵なんですね」
この町は随分と探偵が多いなぁ。
コナン君も小さな探偵だし。
「もし何かあればご相談を」
そう言って渡された安室さんの名刺。
連絡先もばっちり書いてあった。
名刺をそっとスカートのポケットに入れて、残りのハムサンドを堪能する。
ゆっくり食べていたせいか、コナン君のアイスコーヒーはもうコップの中には見当たらなかった。
「あ、そろそろ帰るね」
席を立ち、お会計を済ませる。
絶対また来る、と先程食べたあのハムサンドを思い浮かべ心に誓った。
外に出ると、店内では感じられなかった湿気が肌を掠める。
しばらく歩いていると、後ろからびちゃびちゃと水溜まりをふむ音が聞こえてきた。
随分急いでいるんだなと思いながら控えめに振り返ると、一瞬、鏡を見ているような感覚に襲われる。
しかしそれはほんの一瞬であって、すぐにそれは安室さんだということを認識した。
「Aさん!」
「安室さん?どうしたんですか?」
「丁度Aさんが店を出たときに僕のシフトも終わりまして。送りますよ」
ポアロから走ってきたはずなのに、息切れなんてすることもない安室さんに驚く。
「そこに僕の車があるので、付いてきてください」
.
「こ、高級そうな車ですね……」
助手席に座りながら肩を丸めて言う。
何というか、本当に乗り心地が違うのだ。
「ふふ、でしょう?」
大人の妖艶な笑みに顔を赤くして目を逸らす。
静かな車内で話題を探し、会った時からずっと考えていたことを問うた。
「………安室さんもハーフですか?」
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もっさ(プロフ) - めっちゃめっちゃおもろかったです!更新楽しみにしてます!! (2019年11月29日 17時) (レス) id: 487c093ca1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華美 | 作成日時:2019年6月23日 19時