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改めて店内を見回すと、何だか女性客が多いのが気になる……
女性に人気のメニューでもあるのだろうか。
「あれっ?Aさん?」
ドアが開く音に混ざって少年の高い声が聞こえた。
「あ、コナン君。お久しぶり」
「やっぱり!久しぶりだね。あの後大丈夫だった?」
"あの後"というのはきっと、予告日の夜にキッドに連れ去られた後のことだろう。
「うん…………あのサッカーボールって」
「あっああ、あ、あれ?気にしないで」
凄い勢いで飛んできたあのサッカーボール。
あの時の感覚は、ある意味忘れられない……
しれっと隣に座ったコナン君は、先程の女性店員にアイスコーヒーを頼んでいる。
子供らしくない小学生の彼にそれとなく感嘆の意を示す。
しばらくすると私の元にもアイスコーヒーとハムサンドが届いた。
いただきます、と手を合わせてからハムサンドにかぶりつく。
……瞬間、口いっぱいに広がる優しい味。
そこら辺で売っているサンドウィッチとはまるで違う……
このハムサンド一つで、いくらか幸せが増した気分。
いつの間にかニヤついていた私の顔に羞恥心を感じながら、私の元へ集まる二つの視線に気が付いた。
「あ、えっと……私の顔に何か付いてます?」
正面にはカウンターの奥でじっと私を見つめる、金髪に青目といった、私と似ている容姿の男性がいた。
「あっいえ。とても美味しそうに食べるなぁと思いまして」
「Aさん、紹介するね。この人は……」
「……安室透。私立探偵をやっています」
───────……言葉を遮られたコナン君は、じとりと"安室透さん"を見つめた。
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もっさ(プロフ) - めっちゃめっちゃおもろかったです!更新楽しみにしてます!! (2019年11月29日 17時) (レス) id: 487c093ca1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華美 | 作成日時:2019年6月23日 19時