青と金の宝石【番外編】 (ページ11)

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「ええっ！？快斗と喧嘩したぁぁぁ！！？」

「あ、青子ちゃん、声デカいよ……」

青子ちゃんは驚きを隠しきれないようで、目をまん丸く見開いてこちらを凝視している。

「ご、ごめん……ていうか！それ本当！？？」

「喧嘩っていうか、なんていうか……」

────────事の起こりはほんの数日前。

＊

それは、快斗の家に泊まった日から数日後のこと。

雨の湿気でじとりとした空気の中、勉強に集中できなかった時である。

気分転換に喫茶店にでも行こうと私はゆっくりと腰を上げた。

……怪盗キッドの予告状のことを相談しに毛利探偵事務所へ行った時。

あの時実は、下にある「喫茶ポアロ」という雰囲気の良さそうな喫茶店を見つけたのだ。

それに江古田と米花は結構離れているから、知り合いに会わず一人でゆっくりできそう。

とりあえず落ち着きたかった私の足は、自然とポアロへ向かっていた。

「いらっしゃいませ！」

心地よく響くベルの音と、女性店員さんの優しい声に迎えられる。

コーヒーの香りが店いっぱいに広がる、思った通りの優しい雰囲気の店でほっとする。

カウンター席に案内され、少し汗をかいたお冷がテーブルに置かれた。

メニュー表を見ると、どうやらここのオススメは「ハムサンド」というサンドウィッチらしい。

「すみません、注文いいですか？」

「はーい」

「アイスコーヒーと……この、ハムサンドをひとつください」