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「……」
冷蔵庫の中を見て、数秒。
「……えっと、いつも青子が作ってくれてたから」
「スーパー行ってくるね」
そう、快斗の家の冷蔵庫の中には驚くほど何も無かった。
今日の朝何食べたんだ、おい。
「快斗も一緒に行く?」
「おう」
そうして暗い夜道を二人で歩く。
真上には綺麗なまん丸の月が浮かんでいた。
「満月見ると、なんだかキッドが出てきそう」
ぽつりと口から零れ落ちた言葉。
快斗は少しだけ肩を揺らしてこう言った。
「Aは、キッドの時の方が好きか?」
「……何言ってるの、そんなの当たり前だよ」
そう言うと快斗はまるで子犬のようにしょぼんと顔を曇らせた。
心なしか後ろには尻尾が見える。
「快斗の方に決まってるでしょ?」
ていうかどっちも快斗なんだから、と笑いながら答えると、快斗の尻尾がムクリと起き上がってパタパタと揺れた。
「ははっ、速く行こうぜ!」
「うわぁっ……!」
急にテンションが上がったらしい快斗は、さりげなく私の右手を握って歩調を速めた。
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もっさ(プロフ) - めっちゃめっちゃおもろかったです!更新楽しみにしてます!! (2019年11月29日 17時) (レス) id: 487c093ca1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華美 | 作成日時:2019年6月23日 19時