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43話 ページ5

「得意なのか、ハニートラップ」
「得意と言いますか・・・・・・仕事上そういった関係を持つこともあるので。零さんもそうでしょう?違法作業の代償とでも言うべきでしょうか」
「否定はしない」

カラン、とグラスの中の氷が音を立てる。
実際自分も仕事上やむを得ずに関係をもつことがあったために、何とも言えない。

「具体的に、誰なんだ?」
「はい?」
「例えば誰と、関係を持っているんだ」

口をついて出た言葉に驚く。
Aが少し考え込むような素振りを見せ、ふいに「あっ」と声を上げてグラスを揺らした。

「ジン、とかですかね」
「・・・・・・そうか」

グラスを傾け、黄金色の液体を喉に流し込む彼女。
そんな一連を見ながら同じ色の、カクテルであるそれとは本質から違うウイスキーに口をつける。
以前組織の顔合わせとして立ち寄ったこの酒場が、一段と夜の闇を濃くしていく。

「彼も人間ですから、優しさを吐き出す場所が欲しかったんだと思います」
「あの冷血漢がか?」
「はい。言葉はぶっきらぼうですが、何だかんだで色々と気を遣ってくれますし」
「そんな一面があるのか」

ジンには秘密ですよ、と苦笑しながら言う彼女の表情に見惚れてしまう。
Aの心の中を知りたい。実際、俺たちはお互いのことをあまり深くは知らない。

「ジンの信頼を得るための関係ですけれど、ね」

ふ、と妖艶な笑みを浮かべる。
組織内だと実質Aの方が立場が上なのだが同等に扱われるため、時にはメンバー同士の信頼関係も大事なのだ。
少しだけ、ジンに嫉妬する。

「それ、知ったらヒロが泣くぞ?」
「言ってませんよ。それに、ひろにぃだって少なからずそういう時がありましたからお互い様です」
「しっかりしてるな、お前」

苦笑し、グラスを揺らす。中の氷はちょうど良い塩梅に融けていた。
隣の彼女は、黄金色のカクテル__シャンディガフの味を舌先で楽しみはじめる。

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シルビア-Silvia-(プロフ) - クリスさん» 嬉しいです〜!尊敬だなんて…笑ありがとうございます、頑張りますね! (2019年4月30日 8時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
クリス(プロフ) - 続編おめでとうございます!毎回更新される度に飛んできてます!!夢主ちゃんと降谷さんの心情表現とか、情景描写がとても綺麗で尊敬します…!これからも更新頑張ってください! (2019年4月30日 8時) (レス) id: f8f9576f93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Silvia&愛子 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月20日 16時

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