＊episode 誓いの＊ ページ39
「＿＿綺麗だな」
「･･････な、にが？」
「星と、月」
行為を終えた後の話。
布団に降ろしたAの頭を撫で、浴衣の帯を直しながら窓の外へと視線を向ける。流石に疲れてしまったのか、ハアハアと荒い息を繰り返す自分の大切な
ふと脳裏に過ったのは、有名なあの台詞。
「月が、綺麗ですね」
「ん･･････」
少し眠たそうにしながらも、わざわざ隣に座ってこてん、と頭を凭せかけるその姿が愛しくて堪らない。眠たげな瞳がまっすぐ俺を捉える。
「＿＿ずっと前から、月は綺麗でしたよ」
「ッ･･････！」
その笑みが、何故かもう見ることが出来ないかの様に儚げで。
「あ、そうだ」
「ん？」
「これ、前に渡しそびれてたから」
はい、とAの腕にブレスレットを着ける。それはずっと前、欲しがっていたもので。
「覚えててくれたの？」
「勿論」
「ありがとう！」
すぐにぱっと顔を輝かせ、俺に抱きつく。先程のは気の所為だと信じたいな、と思っていた刹那、Aが笑う。
「怪盗キッドなら、さ＿＿もし私が攫われても、奪い返してくれるよね？」
「ああ。そうしたら、そいつらをぶっ殺さずには居られねぇよ」
「･･････その言葉、絶対だからね」
ちゅ、と優しく唇を塞がれる。「誓いのキスね」なんて照れながら微笑む姿に再び押し倒してしまいそうになるが、そこは上手く理性を抑え込んだ。
「おやすみ、A」
「ん、おやすみ･･････」
この時、俺はまだ気付かなかった。
＿＿一刻、刻一刻と運命の歯車が狂い始めていることに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - 五十鈴さん» いえいえ、コメント嬉しかったです！笑 (2018年7月18日 20時) (
レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - あ、今引きました？(汗) (2018年7月18日 19時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - 五十鈴さん» 本当ですか(汗)読んで下さってありがとうございます！ (2018年7月16日 19時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - あ、ぁぁ、中、破しました (2018年7月16日 19時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - クリスさん» ありがとうございます！できる限り甘々に出来るよう頑張りますね(^^♪ (2018年7月9日 20時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
