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*episode 吊り橋効果?* ページ23

「で?どうすんの、ここから」
「まあ脱出経路はある。んじゃ、俺はこの先のエレベーターホールから脱出が出来ねぇか調べてくるから、その間にお前は犯人をとっ捕まえといてくれ」
「あ、ああ・・・・」

快斗が何かを放り投げ、工藤君がそれを受け取って頷く。冷たくなっていた私の手を温かさが包み込んだ。

「また下手な小細工をされちゃ、面倒だからな」
「ねえちょっと、この手は何?うわっ!」

ひょいっと容易く抱き上げられ、快斗の胸に抱え込まれる。こんな危険な目に遭っていても安心してしまうのは、一体何故だろうか。

崩れた瓦礫を登り、少し離れたところでやっと地面に足がついた。深くため息を溢した快斗が、つんっと額をつつく。

「__お前さぁ、俺がどれだけ心配してるか分かってるわけ?」
「分からないよ?でもその分・・・・」

なんだか言うのが気恥ずかしくなって、喉まで出かかっていた言葉を飲み込んだ。眉を上げた快斗が甘い笑みを浮かべ、頭を撫でる。

「その分・・・・なんだ、言ってみ?言わねぇと明日、立てなくなるかもな」
「えっと、その、」
「ん?」
「・・・・私がどれだけ嫉妬してるか知らないくせに」

ふん、と顔を背ける。暫く呆気にとられていた快斗が両頬を掴んでむにむにと左右に伸ばし、ふふっと笑みをこぼした。

「何それ、可愛いじゃねぇか」
「・・・・うるさい。さ、エレベーターホール見に行くんでしょ?行こ行こっ」
「ちょっ、待てよ!」

自然と早口になってしまう。その場から逃げるように快斗の手を取り、エレベーターホールに向かって駆け出した。

*episode 水流*→←*episode 覚えてろよ*



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シルビア@快斗君神推し(プロフ) - 五十鈴さん» いえいえ、コメント嬉しかったです!笑 (2018年7月18日 20時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - あ、今引きました?(汗) (2018年7月18日 19時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - 五十鈴さん» 本当ですか(汗)読んで下さってありがとうございます! (2018年7月16日 19時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - あ、ぁぁ、中、破しました (2018年7月16日 19時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - クリスさん» ありがとうございます!できる限り甘々に出来るよう頑張りますね(^^♪ (2018年7月9日 20時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Silvia | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年6月4日 22時

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