甘美な日常と、漆黒の闇を貴方に。【名探偵コナン】 (ページ1)

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＊episode お付き合いを始めました＊ページ1

＿＿快斗のこと、好きだよ

きらきらとイルミネーションが輝いた。派手でもなく、且つ地味でもない神秘的な輝き。
ふわりと吹いた風に髪が擽られる。

「嘘、だろ････？」
「吐いてどうするの、こんな嘘」

空いた右手で快斗の頬に触れた。私と同じ、心地良い熱さに目を細め、微笑む。

「本当に？」
「本当。私は快斗が、好きだよ」

腰に腕を回し、自分の心に言い聞かせるかの様に、もう一度紡いだ言葉を付け足す。

＿＿例え記憶を失うことがあっても、快斗のことだけは忘れない為に。

「俺と、付き合ってくれますか？」
「勿論」

はにかみ、快斗の胸元に顔を埋める。しばしの間訪れた沈黙に、幸せを噛み締めていると、頭上でクスクスと笑い声が聞こえてきた。

「珍しく甘えんぼだな」
「一言だけじゃ足りないもん。快斗、好き」
「本当、お前って････」

肌で雰囲気を感じ取る。どきどき、という鼓動がそれを証明してくれる。きっと今、快斗は笑っているのだ。

ゆっくり瞼を閉じると、待ってましたと言わんばかりに快斗が私の腰に腕を回す。淡い月明かりが二人を包む中、そっと影が重なった＿＿

＊
「＿＿ってなわけで俺とA、付き合うことになったから」
「え？」

数日後、中森家の食卓にて。

再び幼児化した私は、快斗と共に青子の家へと夕食を頂きに来ていた。げほっと中森警部が飲んでいたビールで噎せる。

「ど、どうしたんですか？」

いきなり素っ頓狂な声を上げた青子に問うと、片手を頬に当てて首を傾げた。その様子に更に不安が高まる。

「だって････」
「だって？」
「快斗とAちゃんって、まだ付き合ってなかったの！？」
「はあ！？」
「げほっ････」

飲んでいた紅茶を噴き出しそうになり、必死で堪える。ガタン、と快斗が勢いよく机に手を突き、「どういうことだよ」と焦った声で問いかけた。