*episode ファッションショー?* ページ9
「Aさん、凄く似合ってますよ!」
「これで彼氏もメロメロね〜!」
「名前は聞いていたけど会えるとは思わなかったよ、七瀬Aさん」
翌日。
朝早くから米花ショッピングモールに連れてこられた私は、蘭さんと園子さんと・・・・世良さん?の四人でとある服屋に足を運んでいた。
「あ、あの〜・・・・私、いつまでこの服で居ればいいわけ?」
「さあさあ、次の服よ!」
「この服とかどう?」
・・・・どうやら拒否権は無いらしい。
あれやこれやと話している三人を他所に、隣に置いてあるパジャマを物色する。猫耳も良いなあ、なんて考えていると新しく服を渡された。
「次、これを着てみてください!」
「何でそんなに必死なの・・・・?」
あはは、と苦笑い。先程からボーイッシュなものからガーリーなものまでコーディネートされている私は半ば呆れていた。
「そういえば瑞希ちゃんのお兄さんとはどうなったんですか?確か彼から告白されたって・・・・」
「まあお陰様で・・・・」
ぽりぽりと頬を掻く。園子さんが「密かに狙ってたのになぁ」と僅かに口を尖らせて後ろから私に抱きついた。
「わ、ちょっ、何やって・・・・!」
「んー、胸は蘭より小さいかしら。いいなあ、格好良い彼氏」
「ちょっと、園子ったら!」
「褒めてくれて嬉しいんだけど、この手離してくれない?」
「しょうがないわねぇ」
園子さんが胸に触れていた手を離して顔を上げる。と、首に貼ってある絆創膏に気がついた様で目をキラキラと輝かせた。
「それ、もしかして彼氏君の印だったりする?」
「ううん、前ポアロに行ったときに大尉くんに引っ掻かれちゃって・・・・」
我ながらナイス言い訳、と心の中でガッツポーズ。なぁんだ、とつまらなそうに息を吐く園子さんに、ごめんね、と舌を出した。
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