*episode 未読メール、一件* ページ16
「杏奈様、お久しゅうございます!確かイギリスに留学を・・・・」
「そうなんですよー!寺井さんもお変わり無いようで良かったです」
相変わらず寺井さんはいい人だなぁ、と笑みをこぼす。お姉ちゃんは快斗君と二人でパソコンと睨めっこしていた。
手元に目を向け、ふと無意識にメールを頻りにチェックしていたことに気付く。まあその理由は薄々分かる、けれど。
「ねえ快斗、この服とこの服、どっちを着て欲しい?」
「言っとくけど俺、幼女趣味はねえぞ」
「まあ確かにね〜・・・・どっちかというとこの体の方が快斗のストッパー緩いし」
「ばっ、んなんじゃねーよ!」
楽しそうに話す二人に視線を向け、カウンターに顔を伏せる。カラン、と氷が音を立ててぶつかった。
両想いって、羨ましいな。
ふうっと息を吐くと、ポケットが小さく振動する。急いでスマホを取り出すと、「未読メール一件」の文字が映っていた。
どきん、と心臓が跳ねる。
差出人は__
「杏奈、どうしたの?凄く神妙な顔でスマホ見てるけど」
「わっ!な、何でもないよ・・・・!ただ好きなアーティストの新曲が出たから、ね?」
「そっかぁ、また採譜したら聴かせて〜」
「う、うん!」
咄嗟に口から飛び出した言い訳に、我ながら驚いてしまう。まあ好きなアーティストが新曲を出したのは本当のことだから支障はないだろう。ふう、と息を吐く。
メールのアイコンをタップし、口元を綻ばせた。快斗君が怪訝な顔でこちらを見てきたけれど、気付かないふりをしてグラスに口をつける。
レモンの爽やかな風味がすっと鼻を通り抜けた。
*episode 恋と愛*→←*episode 乙女と猛獣*
228人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - 五十鈴さん» いえいえ、コメント嬉しかったです!笑 (2018年7月18日 20時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - あ、今引きました?(汗) (2018年7月18日 19時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - 五十鈴さん» 本当ですか(汗)読んで下さってありがとうございます! (2018年7月16日 19時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - あ、ぁぁ、中、破しました (2018年7月16日 19時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - クリスさん» ありがとうございます!できる限り甘々に出来るよう頑張りますね(^^♪ (2018年7月9日 20時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ