episode17. ページ17
「ほら、起きて」
「いってぇ!何すんだよ!」
「快斗がいつまでも起きないからでしょ!」
「もう少し寝たって良いじゃねーか……」
__翌朝。
弾かれた額が痛い。
ぶつぶつと不平を訴えながら、まだ言うことを聞かない瞼に喝を入れ目を擦る。
「んだよ、こんな朝っぱらから」
「あれ、どうにかしてくれない?」
苦笑を交えてAが指をさしたのは、ごく普通のカーテン・・・・・・ではなく、その向こうにある何か。
何だ、と言う前に「快斗ー!」と大声が近所に響きわたりため息を吐く。
「……ん」
「快斗」
文句を言おうと窓に歩み寄ると突然呼び止められる。
振り返ればパーカーが飛んできて、俺の顔面に思いっきり直撃した。「あのなあ」と口を開きかけると「着て」と淡く染まった顔で呟きそっぽを向くA。
「下着と短パンだけで年頃の女の子の前に出るのは、さすがにデリカシーなさすぎ」
「……そっか、さんきゅ」
どうやら悪意あってのことではないようだ。
素直に渡されたパーカーを着て、勢いよくカーテンを除け窓を開ける。
「あっ居たー!快斗、ごはん!」
「今行く」
ぴしゃりと窓を閉め、見つからないよう身を潜めていたAに視線を向ける。
「そういえば快斗、昨日ソファで寝てなかった?どうやってベッドまで行ったの?」
「夜中に1回起きたから、そのときに」
「ふぅん」
気怠げな返事をし、俺のベッドに潜り込む彼女。「何してんだよ」と言えば「寝心地いいんだもん」と返される。
二度寝するのを諦め、仕方なく着替えようとパーカーのチャックに手をかけると、俺の方を向いていたAが怪訝な表情をした。
「もう少し自分を慎んでよね」
「は?風呂にまでぶち込まれた仲で今更何恥ずかしがってんの、お前」
「それは小さい頃の話!快斗も私も、もう体格とか変わっちゃったんだし」
「小さい頃から変わってないとか言ったのどこの誰だよ……」
「あれはただの例え話」
そう言いながら布団を引き上げ、Aがそれに顔を埋めた。
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シルビア-Silvia-(プロフ) - つばき-tubaki -さん» ありがとうございます!!!自分でも書いてて叫びそうになりながら頑張りました(?)お褒めの言葉嬉しすぎます……!頑張りますね! (2019年6月9日 17時) (レス) id: 1b30589c5a (このIDを非表示/違反報告)
つばき-tubaki - - シルビアさんもHoneyWorks さんが好きなんですね私もです!!!アリサちゃんのセリフが出てきた時嬉しくて叫びました(笑)。Honey Works さんみたいに面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月9日 17時) (レス) id: 4f1f916ec6 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア-Silvia-(プロフ) - 天音さん» そうです!!!アリサちゃんのそのセリフが可愛すぎてどこかで使えないかなぁと思って入れました笑HoneyWorksさん大好きなんですよ……!!ありがとうございます、更新頑張りますね!! (2019年6月8日 23時) (レス) id: 1b30589c5a (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 恋人になったんですね!ずっといつ告白するのかハラハラしてました。あの、もしかしてepisode41の「好きすぎて、やばい」ってHoneyWorksさんの「生意気ハニー」の高見沢アリサちゃんの台詞ですか?(違ったらごめんなさい)更新頑張って下さい(長々とすみません)。 (2019年6月8日 22時) (レス) id: d5e2e87506 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア-Silvia-(プロフ) - 美紅さん» お褒めの言葉ありがとうございます〜!これからもドキドキさせられるよう頑張りますね笑 (2019年5月1日 15時) (レス) id: 1b30589c5a (このIDを非表示/違反報告)
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