▼16話 ページ19
「…え？何言って…」
「そのまんま。おかえりって誰かが出迎えてくれて、作ってくれた美味い料理が食える生活って良いよなって話」
「ん、確かにいいと思うけどさ」
快斗は一体なんのつもりでそう言ったのだろうか。
純粋に彼なりの賞賛なのか、それともまた別の意図があるのか。個人的には前者だろうと思うが、どこか女の子の扱いに慣れている彼だから決めつけてしまうのか少し危ない気がして。
「なんて顔してんだよ」フォークを中指と薬指で挟みながら彼が笑う。快斗のせいでしょ、なんて咄嗟に言うことができず「な、なんでもない」と誤魔化してしまう。いつもそう。私の悪い癖だ。
「ごちそうさま」
「えぁ、うん、どういたしまして…？」
どうしたものかと考え込んでいる間に彼は食べ終わってしまったらしく、「皿洗いくらいはすっから」とキッチンへ先に行ってしまう。
「ちょ、待ってよ！」急いで口に入れたハンバーグを飲み込み、その後を追いかけると「貸せって」と手を差し出してくる快斗。
こんなことさせるつもりは無かったんだけどな、と少し申し訳なく思いつつ手の重みをその手に渡す。私が呆気にとられている間にぴたりと水音が止まり、綺麗になったお皿を並べて手を拭いた快斗が「そういやさ」と口を開いた。
「あのテレビ、俺が来てからずっとつけっぱなしだったみてぇだけどオメー何見てたんだ？」
「何って…あ、ニュースだよ！怪盗キッドの」
「…へーぇ」間を置いて彼は意地悪くニヤリと笑い「カッコ良かった？」と目を細めた。
このままだと彼のペースに呑まれてしまう。
「べ、別に…カッコ良かった、けど」せめてもの抵抗でそう言うと「ふぅん？」と軽く下唇を噛み、私の手をとってずかずかとリビングへ歩いていく。
足をとられないように気を付けていると指と指の谷間をそっと撫でられた。「ひゃん！」思わず変な声を上げる私を他所に、彼はするりと指を絡めてくる。
触れた手がどうしようもなく熱い。
突然その手をぐいと引かれ、バランスを崩して倒れそうになった身体を優しく引き寄せられて彼の胸板に頬が当たった。腕が背中に回り、強く抱き締められる。
ゆったりとした薄青と白のパーカーを通して、頬に快斗の熱い体温と落ち着いた鼓動が伝わってくる。
「…ん」
快斗の声。蕩けるように甘い、低い声。
もぞもぞと顔を上げると、自分のそれよりひと回り大きな手が頭を撫でる。それから彼は満足気に笑って。
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Silvia(プロフ) - 怜さん» わ！！！2年前にもコメントしてくださった方ですよね…！？本当に嬉しいです、見てくださってありがとうございます〜！！ゆっくりにはなってしまいますが、更新はし続けるつもりなのでこれからもお付き合いいただけると幸いです！ (5月14日 8時) (
レス) id: b3d15ce9d9 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 通知きて叫びました、、更新ありがとうございます！！！お忙しいかと思いますがぜひこれからもお話書いていただけたら嬉しいです（ ; ; ）応援しています！！ (2023年5月6日 1時) (レス) id: abf0b4af80 (このIDを非表示/違反報告)
Silvia(プロフ) - 怜さん» うわああぁありがとうございます！！！好きって言っていただけて嬉しいです！がんばります:) (2021年5月19日 15時) (レス) id: a80726cefa (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - この作品とっても好きです！！これからも頑張ってください！ (2021年5月19日 15時) (レス) id: abf0b4af80 (このIDを非表示/違反報告)
Frisk(プロフ) - シルビア-Silvia-さん» 振り込むって時点で金なんだよなぁ…絶対破壊光線期待してます。 (2021年1月16日 12時) (レス) id: 83e488319f (このIDを非表示/違反報告)
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