猫系幹部と降谷さん。【名探偵コナン】

30話 ページ32

「『障害は排除した、後は手筈通りに』か」
「絶対に単独行動する気ですよ、ベルモット。彼女はシェリーとやたら馬が合いませんでしたしね」

先程からやたらと爪を噛むA。
八号車に到着し、毛利先生の姿を捉えた瞬間に自前の黒手袋を装着する。
廊下の奥では乗客と毛利さんが集まって会話をしており、まだその事件が解けないのか推理中だと誤魔化す彼の姿が目に入る。
しばらく話を聞いていたAだが、やがて楽しそうに口角を上げた。

「で、出た･･････！眠りの小五郎！」
「毛利先生がそのポーズを取られたということは･･････解けたんですね？この一等車のＢ室で、チェーンロックがかけられた状態で室橋さんが射殺されたという、密室殺人の真相が」
「あなた達誰？」
「毛利さんの一番弟子の安室です！」
「と･･････透さんの助手の、猫崎です」

眉をひそめながら訊いてくるのは、乗客の出波さん。
ニッコリと笑いながら簡単な自己紹介をする。
その場が一度収まってから、毛利さんがトリックの説明を始めた。それを興味津々な顔で聴いていたAだが、段々と口元が緩み始める。
恐らく予想と合致していたのだろう。

＊＊
犯人の安東さんが膝から崩れ落ち、犯行の動機を語り始める。
眉一つ動かさずに神妙な表情で聴いていたAが急にスマホを取り出し、メールボックスを開いてそっと俺の肩を叩いた。

「ベルモットから合図です、そろそろですよ」

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