24話 ページ26
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__それから直ぐの話だ。
「組織犯罪対策部からこちらに配属されました、諸伏Aです。よろしくお願いします」
家で見せてくれた表情と口調からは一変、称えられた柔らかな笑みがその美貌に拍車をかけている新たな仲間。
その姿を一目見、目の下に隈を作っていた同僚達からはどっと大きな歓声が上がっている。
まあ徹夜続きの男だらけのオフィスにかなり顔面偏差値の高い女が放り込まれたのだ、無理もあるまい。
「__よろしくお願いします、降谷さん」
「ああ、よろしく」
軽く挨拶を交わした彼女が静かに俺の隣の椅子へと腰を下ろす。
どさり、と尋常ではない音を立てて隣のデスクに置かれた書類に目を見開いた。
「お前、これを全部覚えるつもりか?」
「はい、全て
「・・・・・・そうか、頑張れよ」
__超人。
僅か二文字で形成された熟語が脳内を過る。
通常なら覚えるまでまる五日は掛かりそうなこの量を、一人で?
感服を通り越し、呆れさえ含んだ笑いを零す。
やはり、全く気付かれずにボスの側近まで昇格したその能力は伊達ではなかった。
その凛とした碧い瞳が真っ直ぐに資料を捉え、離さない。
「・・・・・・コーヒー、淹れてやろうか?」
「お言葉に甘えさせていただきますね」
ありがとうございます、と静かに笑ったAに、胸がきゅっと絞られる感覚。
幼い頃、
妙な既視感を覚える。
「・・・・・・いや、ある訳ないだろう、そんな訳」
__俺の恋人は、愛すべきものはこの国だ。
必死に自分を詮索している隣で、ただ冷たい瞳を釘付けにしている仲間。
軽く頭を横に振り、給湯室へと向かった。
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シルビア-Silvia-(プロフ) - 黒武さん» 申し訳ないです!すぐ直させていただきます、ご指摘ありがとうございます!! (2019年4月23日 5時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
黒武(プロフ) - 設定で29歳とありましたが、それだと安室さんと同い年になっていますよ...。諸伏さん登場の回で『年上なんだ』と言っていたので、夢主ちゃんの年齢はもう少し下だと...。 (2019年4月22日 23時) (レス) id: f0ec619330 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア-Silvia-(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» あっごめんなさい……!!すぐ直します、ありがとうございます!! (2018年12月19日 21時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - Please select a storyですよ(小声) serectじゃなくてselectですよ(こそこそ) (2018年12月19日 21時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - 砂肝さん» 嬉しい感想ありがとうございます。嬉しいです、更新頑張ります! (2018年5月26日 16時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
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