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14話 ページ16

パァン、と人気のない埠頭の倉庫街に一発の銃声が響く。

「キール!!」

肩を撃たれ、NOCの疑いを着せられた__否、NOCである本堂瑛海が膝からガクリと崩れ落ちた。ポタポタと血が落ちてできた血溜まりを見、シャンディが八重歯をぎらつかせる。

「ほら、どうしたキール。続けろよ、手錠を外してぇんだろ?」

瑛海が肩の傷口を見、奥歯を噛み締めて目の前のジンと会ったことのない女性を睨みつける。

「姉貴、どうしたんですかい?その服・・・・」
「ちょっとね。海に落ちたキュラソーを助けて、ベルモットに手を回してからこっちに来たのよ」
「っ、まだ容疑者の段階で仲間を・・・・!」

バーボン__降谷零はジンを非難するが、その声に当の本人は耳を傾けようとしなかった。

「仲間かどうかを断ずるのはお前らではない。__最後に一分だけ猶予をやる。先に相手を売った方にだけ拝ませてやろう。鼠のくたばる様をな」

ジンはシャンディに目をやり、ウォッカにカウントする様に命令する。ウォッカは了解の返事をして腕時計を見た。

「50、49、48、47・・・・」
「さぁ、早く吐けば楽にしてあげる」

ぴちゃり、と水滴が垂れる。シャンディが鋭い針を出し、ぺろりと舌舐めずりをした。

「貴女、一体誰なの!?」
「この名前で分かるか?キール」

__NOC殺しの黒猫

ジンが口にした言葉に怜奈の顔からさっと血の気が引き、冷や汗が頬を伝う。降谷と怜奈がゴクリと喉を鳴らした。

「そんな脅しに乗るもんですか!」
「もし彼女をNOCと言ったら、自分をNOCと認めたことになる。そんな奴をあんた達が見逃すわけがない!」
「それはどうかしら?猫は案外優しいのよ」

30秒が経過する。

互いに自分がNOCではないと主張する二人にジンが口角を上げる。やがて二人は口を閉ざし、シャンディとジンを睨みつけた。

「3、2、1・・・・」
「まずは貴様だ、バーボン・・・・やれ、シャンディ!」
「了、解」

掛かっていた前髪を払い除け、シャンディがかっと目を開く。その碧い瞳は獣のような光が宿っていて__紅く見えた。

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シルビア-Silvia-(プロフ) - 黒武さん» 申し訳ないです!すぐ直させていただきます、ご指摘ありがとうございます!! (2019年4月23日 5時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
黒武(プロフ) - 設定で29歳とありましたが、それだと安室さんと同い年になっていますよ...。諸伏さん登場の回で『年上なんだ』と言っていたので、夢主ちゃんの年齢はもう少し下だと...。 (2019年4月22日 23時) (レス) id: f0ec619330 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア-Silvia-(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» あっごめんなさい……!!すぐ直します、ありがとうございます!! (2018年12月19日 21時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - Please select a storyですよ(小声) serectじゃなくてselectですよ(こそこそ) (2018年12月19日 21時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - 砂肝さん» 嬉しい感想ありがとうございます。嬉しいです、更新頑張ります! (2018年5月26日 16時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Silvia&愛子 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年5月23日 19時

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