＊prologue お兄様。＊ ページ1
「凄く不思議です。快斗さんと居ると、まるで本当のお兄様みたいで････」
「ふふっ、良かったな」
二人で真っ赤に染まった夕焼け空を見上げる。義兄が顔を綻ばせながら優しく頭を撫でると、黒髪に猫科を思わせる黄色い瞳をした少女＿＿一ノ瀬瑞希は嬉しそうに目を瞑った。
小学校一年生とは思えない程の整った言葉使いにボキャブラリーを持つ瑞希が、ふと俺＿＿黒羽快斗の手の上に自分の手をそっと重ねる。
「記憶が戻っても、戻らなくても、私はお兄様が大好きです」
瑞希が、露を光らせて咲き乱れる花のような無垢であどけない、且つ気品を兼ね備えた笑顔を見せた。俺は困った様に頬を掻く。
あどけなく無邪気な彼女の笑顔を見ていると、なぜか消えた幼馴染にどうしても重ね合わせてしまう。そんな自分に小さくクスリと笑い、瑞希の手を引きながら部屋に入った。
「明日は学校か？」
「はい、明日は遠足に行くんです」
「じゃあ準備が必要だな」
「手伝ってくれるんですか？」
「もちろん」
こいつが通っている帝丹小学校には江戸川コナン＿＿工藤新一も居る。瑞希も少年探偵団に誘われているらしく、明日はそのメンバーと班で行動するとか。
楽しそうにそう話す瑞希の肩を掴む。首を僅かに傾げた彼女とお互いに息が掛かるくらい、顔を近づけて額をこつん、と突き合わせた。
「危ない奴にはついていくなよ？俺のスマホ貸すから、何かあったら連絡しろよな」
「はい！ありがとうございます、お兄様」
三台持っているスマホのうち、一番保存状態の良いやつを渡す。俺って過保護なのか？と少し苦笑い。瑞希がくいくいと袖を引っ張った。
「青子お姉さんが呼んでますよ。そろそろ夕飯だそうです」
お腹が空いちゃいました、と無邪気に笑う瑞希に「行くか」と声を掛ける。
瑞希ははい、と嬉しそうに頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 262人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - アイリスさん» ありがとうございます！快斗君格好良すぎて…… (2018年6月2日 12時) (
レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 展開が甘酸っぱい…快斗に惚れ直しました(笑)これからも応援しています！ (2018年6月2日 12時) (レス) id: b4b2c4fcf3 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - ピッピさん» ありがとうございます！応援に応えられるよう頑張りますね！ (2018年5月29日 18時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ(プロフ) - 快斗ー！！めちゃくちゃカッコいいです！！10点連打機能がない占ツクを初めて恨みました…！笑 続きも応援しています(*^^*) (2018年5月29日 11時) (レス) id: d3db016fb1 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - MONOさん» ありがとうございます(^^♪ (2018年5月26日 18時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
