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*episode 好きなのか* ページ36

蘭さんから快斗が手を離したことにほっとした瞬間、ちゅ、とリップ音が聞こえた。どうやら手の甲にキスをして気障な台詞を吐いたようで。

ぽん、という音と共に天井へとワイヤーが引っ掛けられる。銃口をその先のフックに向け、舌打ちをして呟いた。

「ワイヤー銃から伸びてるあれ、切っちゃおうかな」
「早まるなって!幾らキッドでもただじゃ・・・・!」
「冗談だよ、冗談。悪いけど私、ディナーはパスするわ。ちょっと用事ができたから」
「ちょっ・・・・てか、お前の冗談って冗談に聞こえないから怖い」

蘭さんと短く話した工藤君が、エレベーターに乗ろうとボタンを押そうとする手を強く掴む。そのまま人目につかない物陰まで行って、怪訝な表情をした。

「お前、大切な人が居るって言ったよな。好きな奴のことか?それって」
「悪い?ええそうよ、その通り。あなたと同じでね」
「__キッドだろ?お前の好きな奴」

頷いていいのか否か、よく分からない。前々から好きなのかなあと思ったことはあったが、自覚したのはつい最近だから。

「な、何言って・・・・」

言葉が彼の左手で遮られる。右手が目尻の辺りを掬い、口を押さえていた左手が離れた。悲しげに目を伏せた工藤君が、真っ直ぐな視線で私を見つめる。

「__じゃあお前、何で泣いてるんだよ」
「ッ!」

ぽろぽろと無意識に溢れていたであろう涙。ああ、この状態じゃ大阪駅で待っている快斗には会えない。いや、会いたくない。

「・・・・ノーコメントで。じゃあね」

到着したエレベーターに入り、1Fと書かれたボタンを押す。ポケットからスマホを取り出し、涙を拭いてから千影さんに電話をかけた。

≪あらぁ、瑞希ちゃんからかけてくるなんて珍しいじゃない?≫
「七瀬です」
≪え?≫

スピーカー越しに素っ頓狂な声が聞こえてくる。今頃千影さんはラスベガスでのんびりしてるんだろうなぁ、と笑った。

「七瀬Aです。記憶が戻ったんですよ」
≪そうだったんだ〜?それなら快斗、教えてくれれば良かったのに≫
「あ、いえ・・・・今は少し顔が合わせづらくて」
≪ふうん・・・・じゃあ、今からホテル大阪に来てくれる?実は私、今そこに居るんだあ≫
「わかりました、ありがとうございます」

上機嫌な千影さんの声を聞きながら振り返る。工藤君はついてきていなかった。

*episode 悲痛*→←*episode 嫉妬心*



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シルビア@快斗君神推し(プロフ) - アイリスさん» ありがとうございます!快斗君格好良すぎて…… (2018年6月2日 12時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 展開が甘酸っぱい…快斗に惚れ直しました(笑)これからも応援しています! (2018年6月2日 12時) (レス) id: b4b2c4fcf3 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - ピッピさん» ありがとうございます!応援に応えられるよう頑張りますね! (2018年5月29日 18時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ(プロフ) - 快斗ー!!めちゃくちゃカッコいいです!!10点連打機能がない占ツクを初めて恨みました…!笑 続きも応援しています(*^^*) (2018年5月29日 11時) (レス) id: d3db016fb1 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - MONOさん» ありがとうございます(^^♪ (2018年5月26日 18時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Silvia | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年4月23日 16時

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