笑顔を盾に本音を隠す【名探偵コナン】

第034夜「奇抜な屋敷の大冒険編」 ページ34

上から子供たちが降って来た。

コナンくんは私を見るとズカズカと近寄って来る。




「お前……」

「ご…、ごめん、…なさい」




凄い形相で睨み付けられつい謝ってしまった。
コナンくんに“もう離れるんじゃねーぞ”と釘を刺されてしまい、素直に返事をすると、無意識にため息が溢れた。

横にいた哀ちゃんと目が合い、苦笑いを溢し合うと怪盗キッドが言う“墓”に視線を向ける。
墓よりも、怪盗キッドに目が行ってしまうが…、あのお婆さんがキッドだとバレない様暗号に集中する事にした。




「迷ひし者 我に神器を供へよ…三水吉右衛門」




神器？
炎と刻まれた勾玉があると言うならば、他にも２つあるって事になる、…よね？

私の考えとコナンくんの考えが同時だったのか、コナンくんはおじさんに何かを聞いていた。




「さっきボクたちに聞いてたよね？
妙な石を見つけなかったかって。だったらおじさんも持ってるんじゃないの？ 妙な石を」

「私たちも見つけたんです。石で作られた神器の１つを。教えてもいいけど、おじさんが持っている物を見せてくれたら、私たちも見せてあげますよ。」

「そうね。この状況で情報の独り占めはあまり頭のいい考え方とは思わないけど？」




おじさんは舌打ちを打ちなが渋々教えてくれた。

カバンの中から“永”と刻まれた鏡を。




「書いてある文字は永遠の［永］ですね」

「じゃあ、やっぱり太陽に関係があるんじゃねーのか？
ずーっと燃えてんだからよ！」




元太くんの言葉に女の人が私たちが持っていた勾玉、しかも刻まれていた文字までを言い当てた。

女の人は三水吉右衛門の墓を調べるも、ここには宝石がなさそうと言うとおじさんはもう１つの神器を見つけないと…なんて言っていた。




「勾玉、鏡と来てもう１つと言えば…“草薙の剣”ですよね」

「その名前なら知ってます！！」

「よくゲームに出てくるスゲー刀だろ！？」




その剣に刻まれている文字を見れば何か分かるかもしれないけど、もう興味が失せてしまったんですよねぇ

怪盗キッドとは会えたし、怪盗キッドがお婆さんに変装していることもわかっているし、謎解きをする必要がなくなったから。
だから私は呑気に子供たちの後ろを歩くだけ。


おじさんたちは地震があって、屋敷がズレたとか、怪盗キッドは宝探しかなんぞ止めにして帰れーとか言っている。

私は怪盗キッドとお話がしたいです……。




　

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