第032夜「奇抜な屋敷の大冒険編」 ページ32
哀ちゃんの肩をトントンと叩く。
すると哀ちゃんは振り返り首を傾げた。
私は哀ちゃんと同じ視線になり両手を自分の顔の前まで持ってくる。
「ごめんなさい哀ちゃん。
怪盗キッドに会いに行く、だなんて言ったら100%止められてしまうので…ちょっと内緒で別行動をしようかなと…、もしコナンくんに聞かれたら誤魔化して頂きたく思いまして……」
哀ちゃんの呆れた目が鋭く心に突き刺さる。
でも、こうでもしないと彼と…キッドと話が出来ないから。
ここにいる可能性があるのなら、探したい。会いたい。……話がしたい。
「……わかったわ。でもその代わり…」
「ありがとうございます、哀ちゃん」
哀ちゃんと約束を交わし、私はコナンくんや子供たちに気づかれない様に離れた。
物陰に隠れてみんなが奥に行き上に上がるのを確認すると物陰から出てはあの男の人が言っていた言葉を思い出す。
「目で見た物を鵜呑みにするな。そして三水吉右衛門らひねくれ者。…太陽に1番近い所は上の階。
つまり、下に行けば何かありそうですね…そうしたら……」
上に行こうとすれば下に落ちる、のであれば…あっ、ここかな。
私は梯子を掴む。すると梯子の取手が2つに割れてその代わりに床がパカッと開いた。
下に落ちる時のふわっとしたこの感覚は苦手…
無事着地すると、地下だからなのか一面真っ暗。
「何も見えない……子供たちが持ってた腕時計型の懐中電灯は便利でいいなぁ…」
なんて呟いていると私以外の気配がした。
辺りを見回しても真っ暗なので何も見えない。少しすれば目が慣れるだろうけど慣れるまでは無防備になる為危険だ。
「もし犯人だったら……」
一発で終わりじゃん…なんて考えていると、その気配が段々近づいているのがわかる。
でも、どこから近寄って来ているのかがわからない。
頬にタラリと汗が流れる。
その気配は私の背後に、そしてポンッと肩に“何か”が置かれた。私は咄嗟に袖に隠していたサバイバルナイフを取り出して気配がした方に刃を向ける。
「私ですよ。Aお嬢様。
そんな物騒な物はしまってください。あなたには似合いませんよ」
「その声は…怪盗キッド?」
私の言葉と共に部屋に灯りが付いた。
灯りが付いた方を見ると怪盗キッドの手に懐中電灯が握られていた。
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メイリュー(プロフ) - みなつ????・さん» あー!なるほど!あの雑誌(?)ですね。なるほど…参考になります!ありがとうございます!大好きと言ってもらえてとても嬉しいです!これからも期待を裏切らないように頑張ります!!お返事して頂きありがとうございました!! (10月13日 0時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
みなつ????・(プロフ) - メイリューさん» 名探偵コナン 怪盗キッド シークレットアーカイブス with まじっく快斗という本に載ってありました!私もこれ見るまでは知らなかったので知った時びっくりしました笑ほんとにこの話大好きなのでこれからも頑張ってください!! (10月12日 6時) (レス) id: ef138240e8 (このIDを非表示/違反報告)
メイリュー(プロフ) - みなつ????・さん» 温かいコメントありがとうございます!!励みになります!えっ、そうなんですね、勉強不足で申し訳ありません…参考にさせて頂きます!因みに、ネットで探してみたのですが間取りが見つからず…どこでその情報を見ましたか?教えて頂けると嬉しいです!! (10月11日 23時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
みなつ????・(プロフ) - めっちゃ面白くて大好きです!!すっごく細かくて申し訳ないんですけど黒羽家はリビングなどが2階で自分たちの部屋などは一階のようです...ほんと細かくてすいません...よかったら参考にしてくださいっ (10月11日 7時) (レス) @page24 id: ef138240e8 (このIDを非表示/違反報告)
メイリュー(プロフ) - namiさん» コメントありがとうございます!更新を止めない様に頑張ります! (2022年1月16日 15時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メイリュー | 作成日時:2022年1月12日 11時