第027夜「奇抜な屋敷の大冒険編」 ページ27
光彦くんたちを先頭に、その石の箱があった場所へ来た。
ボロボロの屋敷。
使われなくなって長い年月が経っているであろう屋敷を私とコナンくん、哀ちゃん、博士は見ていた。
「で? その箱の様な石はどこに?」
コナンくんは子供たちに問い掛けると、歩美ちゃんが“コレコレ!”と指をさす。
「家のそばにある沼ん中を覗いてたらよ、この石の箱が水ん中に沈んでて、中に鯉が入ってたんだよ!」
「その鯉を捕まえようとして石ごと引き上げたら、刻まれた字に気づいたんです!」
“鯉には逃げられちまったけどな…”と言葉を付け足す元太くん。
鯉……か。
というか、石の箱というより…
「コレって石灯籠じゃないのか?」
私の代わりに博士が石の箱について説明をしてくれた。
さすが、人生の先輩です。
私は沼の中を覗くとやっぱり笠や土台の部分も沈められていた。
「他にも沼の中に落ちていますよ。しかも、1つや2つではないみたいです」
私がそう言うと歩美ちゃんは“え?”と反応する。
続いてコナンくんが口を開いた。
「多分、この家の庭先にあった石灯籠をまとめて沼に沈めたんだ…灯籠なんて最初からなかったと思わせるために」
そしてコナンくんは得意気な表情をしながら言葉を続ける。
「せっかく見つけたこの暗号を自分以外の誰かに解読されて、お宝を横取りされねぇようにな」
「お宝…」
『お宝』と聞くとすぐに怪盗キッドが脳裏を過ぎる。
また彼に会いたいな…、と沼を悠然と泳いでいる鯉を見つめながら思ってしまった。
私の後ろで灯籠に刻まれた文字をコナンくんが読み上げているので私はそちらに耳を傾けながら鯉を見る。
「……“拳に溢るる其の石を”か。」
「ん? Aお姉さん何か言った?」
歩美ちゃんが私の呟きを聞き小さく首を傾げた。
あら、可愛らしい。
じゃなくて…
「ううん、何でもないよ。ちなみにお宝は人形ではなく“仁王の石”の方かな」
「え?」
「コナンくんが説明してくれるよ、聞いてみな?」
パチクリとさせる歩美ちゃんに、クスッと笑みを溢してはコナンくんの方に視線を向けると、歩美ちゃんは“うん!”といいコナンくんの方に向かった。
“拳に溢るる其の石”……つまり【ビックジュエル】のこと。
「……この謎が解けたら、会える…?」
私は屋敷の方を向きながら薄く笑みを浮かべた。
彼に会うのが楽しみ、だなんて口が裂けても言えない…
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メイリュー(プロフ) - みなつ????・さん» あー!なるほど!あの雑誌(?)ですね。なるほど…参考になります!ありがとうございます!大好きと言ってもらえてとても嬉しいです!これからも期待を裏切らないように頑張ります!!お返事して頂きありがとうございました!! (10月13日 0時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
みなつ????・(プロフ) - メイリューさん» 名探偵コナン 怪盗キッド シークレットアーカイブス with まじっく快斗という本に載ってありました!私もこれ見るまでは知らなかったので知った時びっくりしました笑ほんとにこの話大好きなのでこれからも頑張ってください!! (10月12日 6時) (レス) id: ef138240e8 (このIDを非表示/違反報告)
メイリュー(プロフ) - みなつ????・さん» 温かいコメントありがとうございます!!励みになります!えっ、そうなんですね、勉強不足で申し訳ありません…参考にさせて頂きます!因みに、ネットで探してみたのですが間取りが見つからず…どこでその情報を見ましたか?教えて頂けると嬉しいです!! (10月11日 23時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
みなつ????・(プロフ) - めっちゃ面白くて大好きです!!すっごく細かくて申し訳ないんですけど黒羽家はリビングなどが2階で自分たちの部屋などは一階のようです...ほんと細かくてすいません...よかったら参考にしてくださいっ (10月11日 7時) (レス) @page24 id: ef138240e8 (このIDを非表示/違反報告)
メイリュー(プロフ) - namiさん» コメントありがとうございます!更新を止めない様に頑張ります! (2022年1月16日 15時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メイリュー | 作成日時:2022年1月12日 11時