笑顔を盾に本音を隠す【名探偵コナン】

第024夜「奇抜な屋敷の大冒険編」 ページ24

約束の日曜日がやってきた。

リビングにいた私は黒羽くんの部屋へ向かう。




「黒羽くーーん、起きてますか？」




いつもならまだ寝ている時間なのだが……
なぜか部屋の中から“起きてるぜー”という声が聞こえた。

ガチャリと扉を開けると身支度が完了している彼の姿。
私は目を丸くさせながら首を小さく傾けた。




「お出かけ、ですか？」

「ん？ Aちゃんの送迎をしようかなって思ってな！」

「……えっ！？ いやいや…キャンプ場は山奥ですし……」




私に背を向けていた彼が顔だけをこちらに向けて“だから？”と言っている様な表情を見せている。




「山奥だからなんだって話。そんくらい大したことじゃねーよ」

「じゃあ……お言葉に甘えて…お願いします」




私がそう答えると黒羽くんは満足そうに笑顔を私に向けては“おう！”と返事をした。
送迎だけでどうしてそんなにも嬉しそうなのだろう…カワイイな、なんて思っていた自分もいる。

部屋を出てすぐ私は「あ」と言葉を溢して黒羽くんに声をかける。




「朝食、出来ているので一緒に食べませんか？」

「おう！ 今行くから先に行っててくれー！」

「りょーかいです」




私は彼に返事を返すと部屋の扉を閉めて階段を降りた。

リビングに着き、イスに座って彼を待つ。
机の上に置いておいたスマホを手に取りコナンくんに連絡を入れる。




「現地に向かいます…っと。送信」




メールを新一くん宛に送るとすぐ返事が返ってきた。
返事は短く【了解。気を付けろよ】とだけ。

こういうところが、イケメンだなぁと思う。




「おまたせ！」

「いえ、大丈夫ですよ。食べましょうか」




私の正面に黒羽くんが座り、両手を合わせて「いただきます」といい朝食を取り始める。

白いお米に、厚焼き卵とウィンナー、納豆にお味噌汁という定番メニュー。
簡単に作れてしっかり朝食が取れるっていいですよね。




「いつもありがとな！
Aちゃんのご飯めっちゃ美味いから青子にも食べさせてやりてーぜ」

「お口に合って良かったです。でも卵とウィンナーを焼いただけですけどね」




私は苦笑いを溢す。

朝食を食べ終え、お皿を流しに置く。
帰って来た時にでも洗おうかな、とお皿洗いを後回しにして机の上に置いておいたスマホをポケットにしまう。

玄関の方から“準備OKだぞー！”と聞こえたので私は「はーい」と返事をし荷物を持って玄関へ向かった。




　

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